更新日: 2024.11.13 年収

大学2年生の娘が「空港グランドスタッフとして働きたい」と言っています。客室乗務員の方が給料がよいイメージですが、実際はどうなのでしょうか?

大学2年生の娘が「空港グランドスタッフとして働きたい」と言っています。客室乗務員の方が給料がよいイメージですが、実際はどうなのでしょうか?
空港グランドスタッフと客室乗務員は、航空業界で接客に携わる職業という点で共通しています。そのため、就職先にどちらを選ぶか悩んでいる人もいるかもしれません。そうした場合は、収入情報を参照することも有効でしょう。
 
そこで今回は、空港グランドスタッフと客室乗務員の平均月収、平均年間賞与、予測平均年収などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

空港グランドスタッフと客室乗務員の収入差

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、空港グランドスタッフを含む「運輸・郵便事務従事者」と、客室乗務員を意味する「航空機客室乗務員」のうち、従業員数10名以上の企業に勤める労働者の平均月収、平均年間賞与は表1の通りです。
 
表1

職種 平均月収 平均年間賞与
運輸・郵便事務従事者 33万7000円 86万6600円
航空機客室乗務員 38万6400円 70万2700円

出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
 
平均月収は「航空機客室乗務員」の方が4万9400円高い一方、平均年間賞与は「運輸・郵便事務従事者」の方が16万3900円高いことが分かります。
 
また、予測平均年収を「平均月収×12ヶ月+平均年間賞与」とすると、以下になります。

運輸・郵便事務従事者:491万600円
航空機客室乗務員:533万9500円

よって、予測平均年収は航空機客室乗務員の方が42万8900円高いです。
 
ただし、各平均額は、勤め先の規模などによって変動すると考えられます。とくに、「運輸・郵便事務従事者」には空港グランドスタッフ以外の職種も含まれているためご注意ください。
 

空港グランドスタッフと客室乗務員の働き方

進路を選ぶうえでは、収入だけでなく、仕事内容の違いを把握することも重要でしょう。ここでは、空港グランドスタッフと客室乗務員の働き方の違いを解説します。
 

空港グランドスタッフはカウンターとゲートでの旅客対応を担う

空港グランドスタッフの仕事は、カウンター業務とゲート業務に大別されます。カウンター業務は、航空券やパスポートの確認、搭乗券の発券のほか、持ち込み物に関する諸手続きなどです。
 
一方、ゲート業務では、旅客の誘導やトランジットの案内などを担当します。そのため、顧客のさまざまな要望にも対応できる柔軟性、判断力、実行力に加え、親しみやすさなどが必要です。
 
空港グランドスタッフになる方法には、航空会社に就職して配属されるパターンと、航空会社から業務を委託されている関連会社に入社するパターンの2種類があります。資格や学歴は不要ですが、外国語のスキルや資格があると、選考では有利です。
 

客室乗務員の業務は乗客のサポートと安全確保

おもに空港で働く空港グランドスタッフに対し、客室乗務員は航空機内での業務が中心です。乗客を座席へ案内したり、機内食、毛布の配布をしたりといった乗客サポート、さらには機体の異常の有無を目視でチェックするなど、フライトの安全確認も業務範囲です。
 
また、緊急事態が発生した際は、乗客を落ちつかせ、ときには脱出を案内するなどの対応も求められるでしょう。
 
客室乗務員になるには、航空会社などに入社し、訓練を受けて実務に移る形が一般的です。また、経験を積めば、地上勤務の管理職や機内の責任者に昇進できる可能性もあります。資格は不問ですが、短期大学卒業以上の学歴や一定の英語力が求められるほか、会社によっては視力について一定以上の基準などを求められることもあります。
 

空港グランドスタッフと客室乗務員の平均年収の差は約40万円と推測される

従業員10名以上の企業に勤める労働者のうち、空港グランドスタッフを含む「運輸・郵便事務従事者」の平均予測年収は491万600円、客室乗務員を意味する「航空機客室乗務員」は533万9500円です。したがって、予測平均年収は航空機客室乗務員の方が42万8900円高いことになります。
 
ただし、就職先を選ぶ際は業務内容への理解も大切です。両職業の働き方や必要なスキルなどの違いも把握したうえで、判断するとよいでしょう。
 

出典

政府統計の総合窓口(e-Stat) 厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 第1表 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集