公務員の年収が高いのは「ボーナス」のおかげ?月給は民間企業と比べて低いのか気になります
配信日: 2024.11.25
実際のところ、民間企業の全国的な年収の平均と比較するとどのくらい差があるのか確認してみましょう。本記事では、国家公務員の給与とボーナスの平均をご紹介するとともに、民間企業の全国的な平均年収との比較についてもまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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国家公務員の平均月収額
まずは、国家公務員の給与についてみていきましょう。人事院の「令和5年国家公務員給与等実態調査報告書」によると、国家公務員の月給の平均は41万2747円ということです。
基本給となる俸給をはじめ、地域手当や俸給の特別調整額・扶養手当・住居手当・その他に分けてそれぞれの内訳を表1にまとめました。
表1
内訳 | 俸給 | 地域手当等 | 俸給の 特別調整額 |
扶養手当 | 住居手当 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|
平均金額 | 33万4218円 | 4万3290円 | 1万1994円 | 9027円 | 6769円 | 7449円 |
出典:人事院「令和5年国家公務員給与等実態調査報告書」を基に筆者作成
「その他」に含まれる手当には、単身赴任手当や寒冷地手当、特地勤務手当などがあります。どのような手当がつくかによって、年収が大きく変わる場合もあるでしょう。
国家公務員の平均ボーナス額の目安
国家公務員のボーナスは「期末手当」と「勤勉手当」から構成されています。人事院によれば、期末手当は、民間における賞与等のうち、一定率(額)分に相当する手当として支給されるもので、扶養手当や地域手当なども支給額算出の対象です。
一方の勤勉手当は、民間における賞与等のうち、考課査定分に相当する手当として支給されるもので、勤務期間や業務成績などもかかわってきます。
国家公務員のボーナスについては、2024年度の人事院勧告により支給月数が前年から0.10ヶ月引き上げの「4.60ヶ月分」に変更されました。
つまり、国家公務員の平均ボーナス額の概算は「41万2747円×4.60ヶ月=189万8636.2円」で、年収は「41万2747円×16.60ヶ月=685万1600.2円」が目安ということになります。
民間企業の全国平均と比べて公務員の年収は高い?
国家公務員の平均年収を約685万円とした場合、民間の事業所の全国平均年収と比較してどのくらい差があるのか確認してみましょう。
国税庁長官官房企画課が実施した「令和5年分 民間給与実態統計調査」の結果によると、1年を通じて勤務した給与所得者1人あたりの平均給与は460万円でした。平均給料・手当は388万円なので、12ヶ月で割ると約32万3000円が平均月収額ということになります。また、ボーナスの平均額は71万円です。
国家公務員の平均月収は、民間事業所の全国平均より約9万円、ボーナスは119万円ほど高いことになります。ボーナスを含まなくても、年間100万円以上の差があるため、国家公務員の年収が高いのはボーナスのおかげだけではないといってよいでしょう。
国家公務員の平均月収は民間企業の全国平均より約9万円高い
国家公務員の平均月収額は41万2747円、平均ボーナス額の概算は189万8636.2円となっており、民間の事業所の全国的な平均と比べると月収が約9万円、ボーナスが約119万円高い計算になります。
「公務員の年収が高いのはボーナスのおかげなのでは?」と思う人もいらっしゃるようですが、国家公務員はさまざまな手当がつくこともあり、実際にはボーナスを含まなくても年間100万円ほど平均より収入が高い場合もあるようです。そのため、ボーナスだけが年収を引き上げているわけではないでしょう。
出典
人事院 令和5年国家公務員給与等実態調査報告書 I 調査結果の概要 職員数、平均年齢、平均経験年数及び平均給与月額(2~3ページ)
人事院 国家公務員の諸手当の概要(2/2)(2ページ)
人事院 本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み 本年の給与勧告のポイント(1)(1ページ)
国税庁長官官房企画課 令和5年分 民間給与実態統計調査 II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)、[平均給与の内訳](17ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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