更新日: 2024.11.29 年収
35歳で主任に昇格! でも年収「410万円」なのは低すぎる?「30代の平均年収」と比較
35歳で主任に昇格し、年収が410万円になった場合、この金額は世間の相場と比べてどの水準に位置するのでしょうか。本記事では、日本の平均年収や30代の平均年収と比較し、主任のポジションなどについても解説します。
執筆者:渡邉志帆(わたなべ しほ)
FP2級
民間企業の平均年収と比較
国税庁が発表している「民間給与実態統計調査」を基に、民間企業の平均年収と30代の平均年収に関するデータを解説します。
全体の平均年収は?
令和5年の給与所得者全体の平均年収は、460万円でした。これを男女別に見ると、男性の平均年収は569万円、女性は316万円と、男女間で差があることが分かります。
一般的に、昇給が関係する正社員に限定したデータを確認してみましょう。
●正社員全体:530万円
●正社員男性:594万円
●正社員女性:413万円
昇給後の年収が410万円だった場合、女性の全体平均は上回っていますが、男女合わせた全体平均、男性平均、正社員の平均年収と比べると、低い水準に位置しています。
ただし、このデータは全ての年齢層を含んでいるため、次に30代の平均年収について見ていきましょう。
30代の平均年収は?
同調査では、30代の平均年収は次のとおり30~34歳、35~39歳の2つの区分に分けて結果が公表されています。
●全体:431万円
●男性:492万円
●女性:345万円
●全体:466万円
●男性:556万円
●女性:336万円
このデータを基に考えると、35歳で昇給後の年収が410万円の場合、女性平均は上回っているものの、全体平均や男性平均を下回っています。特に男性の場合、平均から100万円以上の差があり、このギャップがモチベーションの低下につながる可能性があるでしょう。
しかし、企業規模や地域などによって給与水準は異なるため、平均値より低いから期待外れと考えるべきではありません。
例えば、同調査によると、資本金2000万円未満の企業の平均年収は385万7000円、資本金10億円以上の企業では652万6000円と、企業規模が大きいほど給与水準が高くなる傾向が見られます。
そのため、働く企業の規模や業界によっては、30代でも平均を超える給料が期待できるケースもあるのです。
主任の手当は高くない?
主任に昇格したと聞くと、収入アップを期待してしまいがちですが、実際には大幅な増加にはつながらないことも少なくありません。主任という役職は、一般的に係長よりも下のポジションとされており、管理職には含まれないことが多いのが現状です。
また、主任に昇格した際の給与アップは、月5000円~1万円程度が一般的とされています。そのため、責任や業務量が増える割には、給与の増加が少ないと感じる人もいるかもしれません。
自分の現状を知ろう
思っていたよりも給料が上がらずモヤモヤした場合は、自分の市場価値を見直してみるとよいでしょう。平均年収を下回っている場合は、その要因が企業の業績によるものか、企業から自分への評価が低いためか、などを検証することが大切です。
その上で、資格取得などのスキルアップや副業、転職などを視野に入れ、収入アップの方法を考えるとよいでしょう。
まとめ
35歳で年収410万円という数字は、平均年収と比較すると低い水準に位置しますが、企業規模や地域などによっては、妥当と言える場合もあります。
主任という役職は、将来的に管理職への昇給が期待されるポジションであり、現状で年収が平均より低くても、今後収入アップが期待できるのびしろのある世代とも言えます。自分の市場価値を把握した上で、収入アップに向けた計画を慎重に検討することが大切です。
出典
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:渡邉志帆
FP2級