更新日: 2024.11.29 年収
新卒から年収は「320万円→430万円」にアップ! でも31歳で貯金「80万円」は平均以下? 平均的な「年収・貯蓄額」を紹介
本記事では、年収430万円、貯蓄額80万円の31歳・会社員を想定し、平均的な年収と貯蓄額、貯蓄のコツについて紹介します。
執筆者:福嶋淳裕(ふくしま あつひろ)
日本証券アナリスト協会認定アナリスト CMA、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本商工会議所認定 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
リタイアメントプランニング、老後資金形成を得意分野として活動中の独立系FPです。東証一部上場企業にて、企業年金基金、ライフプランセミナー、DC継続教育の実務経験もあります。
30~34歳の平均給与
国税庁は、「民間給与実態統計調査」で民間事業所に勤務している給与所得者の平均給与(1年間の給料・手当、賞与の合計)を5歳刻みの年齢別に集計して毎年公表しています。
2024年9月公表の最新の調査結果によれば、「30~34歳」の平均給与は次のとおりです。なお、複数の勤務先から給与を受け取っている人の場合、主たる給与のみを対象としています。
男性 496万1000円
女性 345万2000円
平均 433万6000円
「31歳・年収430万円」は「30~34歳」の平均と一致します。性別ごとに見ると、男性であれば平均より少なく、女性であれば平均を大きく上回っています。
30歳代の金融資産保有額
金融広報中央委員会は、「家計の金融行動に関する世論調査」で金融資産保有額(事業のための資金、日常的な出し入れ・引落しに備えている現預金を除く)を10歳刻みの年齢別に集計して毎年公表しています。2024年1月公表の最新の調査結果によれば、「30歳代」の金融資産保有額は次のとおりです。
●単身世帯
金融資産保有世帯 平均912万円 中央値300万円
金融資産を保有していない世帯を含む 平均594万円 中央値100万円
●二人以上世帯
金融資産保有世帯 平均856万円 中央値337万円
金融資産を保有していない世帯を含む 平均601万円 中央値150万円
●総世帯
金融資産保有世帯 平均874万円 中央値315万円
金融資産を保有していない世帯を含む 平均599万円 中央値130万円
平均や中央値は100万円から912万円まで広範囲に分布しています。「31歳・貯蓄80万円」は、金融資産を保有していない人を含めた「30歳代」単身世帯の中央値(100万円)に少し足りず、平均(594万円)に比べるとかなり少ない状況です。
貯蓄のコツ
「余ったら貯蓄する」という考え方(収入-支出=貯蓄)ではなかなか貯まりません。「まず貯蓄し、残りで生活する」方針に転換し(収入-貯蓄=支出)、毎月確実に貯めていきましょう。
目標を立てる
いつまでにいくら貯めるか、半年や1年程度の短期的な目標を立てます。少額の目標で始め、達成できたら額を増やしていきましょう。
結婚や出産、転居や住宅取得など、希望するライフイベントと関連づけた中期的な目標はモチベーションを維持しやすくなります。借金(クレジットカードのリボ払いやキャッシング、銀行や消費者金融のカードローン、自動車ローン、有利子の奨学金など)がある場合は、早期の完済を当面の目標にするのもよいでしょう。
貯蓄を自分で流用してしまうことが心配な人は、貯蓄専用の口座に積み立ててクレジットカードなどに紐づけない、あるいは勤務先の財形貯蓄などの仕組みを利用するなど、使いづらくする工夫をするのも一案です。
衝動的な支出を抑える
毎月・毎年の支出の中身を把握しましょう。何にいくら使っているかを可視化すると、支出を計画的に管理しやすくなり、貯蓄を計画的に進めやすくなります。
ときどき出てくる欲しいモノ、やりたいコトに対しては、「自分の生活や仕事に本当に必要なのか? それとも衝動的な欲望か?」を考え、本当に必要と判断できなければいったん冷却期間を置きましょう。
必要と判断できても「貯めてから買う(または、貯まってから申し込む)」のが基本です。足りないからといって安易に借金しないようにしましょう(リボ払いを含みます)。
いざというときに備える資金を作る
休職、失業、被災などは誰にでも起こり得ます。このような場面でもできるだけ借金せずにすむよう、計画的な貯蓄に慣れてきたら、ライフイベント資金作りのほかに、いざというときに備える資金作りも目標にしましょう。生活費の半年分程度の額を常にキープできればひとまず安心です。
まとめ
31歳の会社員で年収430万円はおおむね平均的であるが、貯蓄額80万円は平均よりも少なく、ちょっと心配といえるでしょう。長期の休みなどじっくり計画できる時期を利用して、何にいくら使っているかを可視化し、具体的な貯蓄目標を立ててみてはいかがでしょうか。
出典
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査
執筆者:福嶋淳裕
日本証券アナリスト協会認定アナリスト CMA、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本商工会議所認定 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)