更新日: 2024.12.02 年収
「平均年収」を超えていたらお金持ち? 年収「500万円」で余裕のある暮らしはできるの? 生活レベルをシミュレーション
本記事では平均年収とその手取り、また年収500万円の一人暮らしの人が生活をした場合、どのくらい生活費が必要なのかについて詳しくみていきます。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
平均年収はいくら?
年収とは、1月1日から12月31日までの1年の間に会社から支給される総支給額のことをいい、所得税や住民税といった各種税金、また社会保険料などを差し引く前の金額をさします。
2023年の国税庁の調査によると、民間の給与所得者の平均給与は460万円となっており、男性の平均は569万円、女性の平均は316万円であると発表されています。また、男性では年間の給与額が「400万円から500万円以下」である人が最も多く全体の17.5%である、504万人となっています。
年収500万円の毎月の手取りは?
「手取り」とは、実際に給与所得者が受け取ることのできる金額のことです。年収から各種税金、社会保険料等が引かれますが、これらの税率や保険料率、家族構成によって引かれる額は変わります。一般的に手取りの目安は年収の75~85%と言われており、年収500万円の会社員であれば、手取りは約375万~425万円となるのです。
今回はこの平均値である400万円を年収500万円の人の平均手取り額としましょう。この場合、ボーナスが年に2回、合計で4ヶ月分支給されたと仮定すると、毎月の手取り額は25万円となります。
単身世帯の支出は?
一人暮らしで必要な生活費はどれくらいかかるのでしょうか。総務省統計局の調査によると、単身世帯の消費支出は、1世帯当たり1ヶ月平均16万7620円となっています。具体的な内訳は図表1の通りです。
図表1
支出項目 | 金額 |
---|---|
食費 | 4万6391円 |
住宅 | 2万3815円 |
水道・光熱費 | 1万3045円 |
家具・家事用品 | 5955円 |
被服、履物 | 4712円 |
保険医療 | 7426円 |
交通・通信 | 2万1796円 |
教育 | 2円 |
教養・娯楽 | 1万9425円 |
その他 | 2万5051円 |
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年) をもとに筆者作成
住宅費は持家、借家、住んでいる地域などによって大きく異なります。そのため、自身の住宅費と残りの生活費の合計平均14万3805円を足した金額が一人暮らしの支出の目安といえるでしょう。
月にいくら使える?
東京都23区内で一人暮らしの場合をシミュレーションしてみます。500万円の年収の人が住宅費として家賃9万円、また5000円程度の医療保険にも入っていると仮定して、先ほどの生活費の平均をもとに試算していきましょう。
500万円の年収の人の手取りを25万円とします。この手取りで、先ほどの条件をもとに支出を加味すると、図表2のような内訳になります。
図表2
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年) をもとに筆者作成
東京都の家賃はほかの地域と比べて高額であるという理由もありますが、平均支出をもとに考えると、残りの額は1万円を少し超える程度であり、あまり余裕があるとは言えないことが分かります。
貯蓄をしたい場合は、食費や水道・光熱費、通信費などを節約していく必要があると考えられます。また、ボーナスが出る会社であれば、年に2回のボーナスを貯蓄に回すこともできるのではないでしょうか。ボーナスの8割ほどを貯蓄に回せば、年間約80万円になります。
年収500万円では東京で余裕のある暮らしは難しいかも
年収500万円は平均年収を超えているとはいえ、家賃や物価の高い東京では支出が多く、「余裕のある暮らし」をするのは難しいかもしれません。ただし、家賃の安い地域に引っ越したりその他の支出を見直したりすることで、生活費にゆとりが出てくる可能性は十分考えられます。
平均年収より上か下かで考えるのではなく、実際の手取りと生活に必要な支出を計算し、自分に合った生活を送るようにしましょう。
出典
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年) 家計の概要
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級