共働きで「年収700万+130万円」の家庭と、専業主婦世帯で「年収830万円」の家庭。手取り収入が多いのはどっち?「年収130万円の壁」を超えた場合の影響も解説
配信日: 2025.01.30
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本記事では、共働き世帯と専業主婦世帯での、それぞれの課税額・手取り収入の差はいくらになるかをシミュレーションします。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収130万だと、手取り収入はいくら?
厚生労働省が令和4年に公表した「パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況」によると、無期・有期雇用パート勤務への就業調整をした女性の半数以上(無期雇用で約60%、有期雇用で約55%)が、理由を「年収130万円を超えると配偶者の健康保険・厚生年金保険の被扶養者からはずれ、自分で加入しなければならなくなるから」と回答しました。
40代以上で年収130万円(月収約10万8333円、ボーナスなし)では、扶養家族から外れて自身で社会保険に加入するため、手取り額は年間で約22万円少なくなります。内訳を試算してみましょう。
・年収130万円-(厚生年金保険料12万780円+健康保険7万6428円+雇用保険7800円+所得税3200円+住民税1万6400円)=手取り見込み額107万7892円
(復興税・調整控除などを除外しています)
厚生労働省は2024年12月に、年収106万円の要件を取り除き、労働時間が週20時間以上では年収にかかわらず社会保険の加入対象とする方針(学生は対象外)を発表しました。年収130万円未満に抑えて働いていた人にも影響が出る可能性があります。
共働き世帯と専業主婦世帯との手取り見込み額の差はいくら?
総務省「家計調査」の2023年調査では、夫婦共働き世帯の実収入平均額は月額約69万2685円(年収約831万円)、専業主婦世帯の実収入平均額は月額約52万9445円(年収約635万円)で、月額では約16万円・年収では約195万円の収入差がありました。
それでは、40代以上世帯で年収が同じくらい(830万円)の場合、共働き世帯・専業主婦世帯の手取り収入見込み額の差はいくらになるのか、試算して表にまとめました(図表1)。
図表1
共働き世帯 | 専業主婦世帯 | ||
---|---|---|---|
年収 | 夫(700万円) | 妻(130万円) | 夫(830万円・妻0円) |
厚生年金保険料 | 64万7820円 | 12万780円 | 71万3700円 |
健康保険料 | 40万9932円 | 7万6428円 | 47万2464円 |
雇用保険料 | 4万2000円 | 7800円 | 4万9800円 |
所得税 | 29万6500円 | 3200円 | 42万7300円 |
住民税 | 37万2000円 | 1万6400円 | 44万2400円 |
手取り見込み額 | 522万8048円 | 107万7892円 | 618万7936円 |
世帯での手取り額 | 630万5940円 | 618万7936円 |
筆者作成
試算すると共働き世帯のほうが所得税と住民税が低く、手取り収入が多い結果になりました。
(復興税・調整控除などを除外して試算しているため、実際の数値とは異なります)
世帯での手取り年収が減少しない目安は、いくら?
それでは、配偶者が年収の壁130万円を超えて働いても、世帯での手取り年収が減少しない目安はいくらなのでしょうか。
厚生労働省が2023年に公表した「女性の就労の制約と指摘される制度等について」によると「配偶者の年収が150万円を超えると、世帯の手取り年収が減少しない」という結果でした。
まとめ
厚生労働省の調査によるとパート勤務で働く女性の約半数以上が、理由を「年収130万円を超えると配偶者の健康保険・厚生年金保険の被扶養者からはずれるから」と就業調整をしていました。
今後、社会保険への加入要件が引き下げられ、「年収の壁」も大きく変わる可能性があります。配偶者と家庭の事情や家計への影響を相談して、年収の目標を考えて働くことが望ましいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー