パート勤務で「月収17万円」。「正社員」になれば「収入や待遇」はどれくらい変わる?

配信日: 2025.02.12

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パート勤務で「月収17万円」。「正社員」になれば「収入や待遇」はどれくらい変わる?
パートで働く場合、正社員の仕事内容とほぼ変わらないこともあり、「正社員とどれくらい待遇差があるのだろう」と疑問に感じる人もいるでしょう。
 
パートタイム労働者(以下「パート」)と正社員では、さまざまな点で待遇が異なるケースがみられますが、「同一労働同一賃金」のガイドラインに違反している可能性がないか確認が必要です。
 
そこで今回は、パートと正社員の収入や待遇の差、待遇差をなくすための制度についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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正社員の平均年収

国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査によると、正社員の平均年収は530万3000円です。一方、パート勤務・月収17万円で1年間働いた場合、年収は204万円になり、正社員の平均年収と2.5倍以上の差があります。
 
正社員とほぼ変わらない内容の仕事をしており、収入などに不安がある人は、正社員としての就職を検討してもよいかもしれません。
 
ただし、上記の年収はあくまで全国の平均です。年収は地域や企業規模によっても変動する可能性があるため、それらの点も考慮する必要があるでしょう。
 

パートと正社員の待遇の違い

パートと正社員では、給与以外にも異なる点があります。まずは、どのような違いがあるのか、比較してみましょう。
 

契約期間

パートと正社員の違いとして、契約期間が挙げられます。通常、正社員は契約期間の縛りがない労働契約(無期雇用)で、企業が定めている定年まで働けるとされています。一方、パートはほとんどの場合、雇用期間が決められています。
 
パートの契約期間は企業によって異なりますが、契約満了時には、継続契約か退職かを選ぶことになるでしょう。場合によっては、契約更新をしてもらえず、職を失うリスクも考えられます。
 

労働時間

通常、1週間の労働時間が、同じ職場で働いている正社員よりも短い人を「短時間労働者」と呼び、パートやアルバイトもこれに含まれます。一方、正社員は企業の規定に沿って、フルタイムで働くことが一般的です。
 

仕事内容

仕事内容は働いている企業にもよりますが、パートと正社員で異なることがあります。パートは、重大な責任をともなわず、正社員の補佐的な仕事を担うことが多いようです。
 
正社員は、店舗の運営や従業員の教育、管理など、通常であればパートが行わない仕事にも取り組み、重要な決断を任される可能性もあるでしょう。
 

賞与や昇給の有無

正社員に賞与が支給される企業のなかでは、パートの人に賞与が支給されなかったり、昇給がなかったりするケースもあるようです。
 
ただし、パートタイム労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)第六条により、昇給や賞与・退職手当の有無は、雇用の際に文書にて明らかにしなければならないと定めています。
 

福利厚生

福利厚生は「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2つに分けられます。「法定福利厚生」とは、企業負担分が法律で定められている、雇用保険や健康保険、介護保険、厚生年金保険です。
 
パートも条件を満たせば受けられることもあり、例えば健康保険や厚生年金保険の場合、1週間の所定労働時間と1ヶ月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上ある人などは、被保険者になることが可能とされているようです。
 
「法定外福利厚生」は、住宅手当や慶弔見舞金など企業独自の福利厚生を指し、内容や受けるための条件は、企業の裁量で決められています。パートの場合、条件を満たせず、正社員と同様の待遇が受けられないこともあるでしょう。
 

正社員とパートの待遇差をなくす「同一労働同一賃金」とは

正社員とは待遇が異なるパートですが、勤務先が「同一労働同一賃金」のガイドラインに反している可能性もあるため、注意が必要です。
 
「同一労働同一賃金」とは、正規雇用労働者(正社員など)と非正規雇用労働者(パートなど)との間に「不合理な待遇差」をなくすための取り決めです。仕事内容や責任の重さ、転勤の有無などが同じ場合は、基本給や賞与、手当などに待遇差を設けることを禁止しています。
 
ただし、フルタイムで働く無期雇用労働者は正社員と同様の扱いのため、「同一労働同一賃金」の対象外とされているようです。
 

パートと正社員は収入以外にも契約期間や仕事内容など異なる点がある

パートと正社員は、契約期間や労働時間、仕事内容などが異なります。パートは正社員のように、勤務時間の縛りが厳しくなく、希望する時間に働きやすいメリットがある一方で、収入に差がつくケースが多いようです。
 
同一労働同一賃金の観点で、本来よりも少ない収入となっている可能性もあります。疑問に思った場合は、企業の担当者などに相談するとよいでしょう。
 

出典

国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
厚生労働省 パートタイム労働法の改正について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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