2024年10月から東京の最低賃金が「1163円」にアップ!最低賃金が上がると私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか?

配信日: 2025.02.19 更新日: 2025.02.20

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2024年10月から東京の最低賃金が「1163円」にアップ!最低賃金が上がると私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか?
2024年10月1日から東京都や大阪府など25の都道府県から最低賃金が順次引きあげられ、11月の徳島県を最後に全国の都道府県での引き上げが完了しています。本年度は全国平均で過去最大の51円が引き上げられ、時給の平均は1055円となりました。
 
本記事では、最低賃金と最低賃金上昇の影響について解説します。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

最低賃金とは?

厚生労働省によれば、「最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度」と定義しています。その内容を詳しく確認します。
 

1. 最低賃金の種類

最低賃金には、次の2種類があります。
 
(1) 地域別最低賃金
都道府県ごとに最低賃金が定められます。最も高いのは、東京の1163円で、最も低いのは秋田県の951円となっています。
 
(2) 特定最低賃金
地域別最低賃金よりも高い金額の最低賃金が必要、と認められた産業で設定されています。適用される産業は都道府県によって異なり、令和6年9月1日現在では、全国で224の産業が対象となっています。
 
なお、地域別最低賃金および特定最低賃金の両方が同時に適用される場合には、高いほうの最低賃金を使用者は、支払わなければなりません。
 

2. 適用される労働者の範囲

年齢や正社員、契約社員、パート、アルバイトなどの雇用形態に関わらず、すべての労働者に適用されます。なお、特定最低賃金は、特定地域内の特定産業の基幹的労働者に対して適用されます。
 

3. 最低賃金を守らないとどうなるのか

最低賃金は、すべての使用者が順守しなければなりません。仮に、使用者が労働者に対して最低賃金額未満の賃金を支払った場合には、最低賃金額との差額を支払わなければなりません。
 
また、たとえ最低賃金額より低い賃金額を労働者と使用者の合意の上で定めたとしても、その取り決めは最低賃金法によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。
 
なお、使用者が地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、罰金(5 0万円以下)が定められています。
 

最低賃金の上昇の影響について

最低賃金が上がると主に、次のようなメリット、デメリットが発生する可能性があると考えられます。
 

1. メリット

(1)企業の人材の確保や採用が容易になる
(2)労働者のモチベーションが向上し、人材の定着を促す
(3)労働者の生活が安定して消費が活性化し、経済へ好影響となる
(4)正社員と非正規雇用の格差が縮小する
 

2. デメリット

(1) 使用者側にとっては、人件費が増加する
(2) 特に、中小企業や小規模事業者にとっては、人手不足が深刻化する中で、コスト高の影響により死活問題となる
(3) 非正規雇用の採用を打ち切る企業が出てくる
(4) パート・アルバイト社員たちの勤務時間抑制が進む。つまり、配偶者控除が適用される範囲の収入とすべく、労働時間を抑制する可能性がある
 

まとめ

最低賃金の上昇は、労働者側にとっては、働くモチベーションが向上し、所得が増えることで、安定・安心した生活につながります。また、消費が増えることで、日本経済にとっても好影響が考えられます。
 
一方で、企業にとっては、人件費が上昇することで、経営面での課題が出てくると考えられます。
 

出典

厚生労働省 最低賃金制度の概要
厚生労働省 必ずチェック!最低賃金!
厚生労働省 第2章 賃金引上げによる経済等への効果
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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