「パティシエ」の「年収」はどのくらい? 給与所得者全体の平均年収と比較し解説
配信日: 2025.02.22

子どもが目指していると聞いて「素晴らしい職業だけれど、問題なく生活できるくらいの給料はもらえるのだろうか」と心配になる親もいるかもしれません。
そこで今回は、パティシエの年収や労働環境、キャリアアップの方法などについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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パティシエになるためには
パティシエは、高校卒業後、専門学校や短大・大学などで製菓に関する専門知識を身に付けた後、就職活動をしてそれぞれの店舗や企業で働くことが多いようです。
なかには専門学校などに通うことなく就職し、就職先で知識や技術を身に付けていく方法もあるとされています。勤務先としては、洋菓子店やホテル・レストラン・カフェなどで働くほかに、洋菓子メーカー、料理教室などに就職するケースもあるようです。
パティシエになるために必須の資格はないようですが、国家資格である「製菓衛生師」や「菓子製造技能士」を取得しておくと、就職や転職に役立つこともあるでしょう。
パティシエの年収を平均年収と比較
パティシエの年収も確認しておきましょう。「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、パティシエのひと月当たりの給与や賞与、年収は表1のようになります。
表1
きまって支給する現金給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 年収 |
---|---|---|
25万1800円 | 39万6100円 | 341万7700円 |
※e-Stat 政府統計の総合窓口「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
「きまって支給する現金給与額」とは、基本給に各種手当、残業代などを含み、税金などを引く前の額のことです。
一方、国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」によると、給与所得者全体の平均年収は459万5000円です。パティシエの平均年収は341万7700円であり、給与所得者全体の平均年収と比べ、117万7300円少ないことになります。
なお、この年収はパティシエ以外にも「和菓子製造、和菓子職人」や「清酒製造」などを含む「食料品・飲料・たばこ製造従事者」全体の数字となっているため、実際の金額は前後する可能性があります。
パティシエの世界は厳しい?
パティシエの平均年収は341万7700円と平均よりも100万円以上少ない額です。平均年収がこの額であれば、新卒1年目の年収はさらに少ないことが予想されます。
さらに、パティシエの世界は立ちっぱなしであることが多く、力仕事が伴う可能性もあります。このようなことから、離職率が高く、1年以内に辞めてしまう人は70%というデータもあるようです。
ただし近年は、厳しい労働環境の改善に努める店舗や会社もあるようです。そのため就職先を見つける際は、労働条件などをしっかり確認するとよいでしょう。
パティシエのキャリアアップ
厳しい世界でキャリアアップは難しいのでは? と考える人もいるかもしれません。パティシエのキャリアアップとしては、次のような方法が考えられます。
・資格を取得する
・コンクールに出場する
・独立開業する
「製菓衛生師」や「菓子製造技能士」などの国家資格があれば、就職や転職がしやすくなる可能性があります。コンクールに出場して好成績を収めれば、さらによい条件で就職できるかもしれません。
なお、開業するためには「食品衛生責任者」の資格が必要とされています。
パティシエの年収はおよそ340万円だが、キャリアアップの道も努力次第でひらける
パティシエの年収は341万7700円と、給与所得者全体の平均年収459万5000円と比べ100万円以上少ない額となっています。パティシエは離職率も高いといわれており、気軽に働ける世界ではないようです。
しかし、コンクールの受賞や資格取得によりスキルアップできる可能性もあります。まずは、働きやすい職場選びから始めるとよいでしょう。
出典
e-Stat 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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