「資本金」ってそもそも何? 資本金の多い会社の方が「よい会社」って本当? 資本金別の「平均年収」なども含め詳しく解説
配信日: 2025.02.22

しかし、多いからといって必ずしも経営状態がよい会社だとは限りません。そこで今回は、資本金別の平均年収や、よい会社を見極める方法についてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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資本金とは
「資本金」とは、会社を経営していくうえで必要な元手金のことを指します。資本金と聞くと、会社を立ち上げた人の自己資金のイメージがあるかもしれませんが、投資家などから集めた資金も含まれています。
資本金は、使い道が決められているわけではないため、設備投資や当面の運転資金、商品の仕入れ、人件費などさまざまなことに使うことが可能だとされています。
なお、株式会社の設立において、資本金は1円でも問題ないとされているようです。ただし、資本金が少なすぎる会社は、周囲からの信頼を得にくく、金融機関から融資を取り付ける際にも影響を受ける可能性があるといわれています。
資本金の平均額
総務省統計局の「経済センサス-活動調査 令和3年経済センサス-活動調査 速報集計 企業等に関する集計」によると、資本金の階級別企業数は、表1のようになります。
表1
資本金 | 企業数 | 割合 (小数点以下第2位を四捨五入) |
---|---|---|
300万円未満 | 20万501社 | 11.3% |
300万円~500万円未満 | 57万8882社 | 32.6% |
500万円~1000万円未満 | 25万3148社 | 14.2% |
1000万円~3000万円未満 | 55万5646社 | 31.3% |
3000万円~5000万円未満 | 7万2933社 | 4.1% |
5000万円~1億円未満 | 5万2126社 | 2.9% |
1億円~3億円未満 | 1万7674社 | 1.0% |
3億円~10億円未満 | 7337社 | 0.4% |
10億円~50億円未満 | 3600社 | 0.2% |
50億円以上 | 2319社 | 0.1% |
※e-Stat政府統計の総合窓口「経済センサス‐活動調査 令和3年経済センサス‐活動調査 速報集計 企業等に関する集計」を基に筆者作成
最も多い割合となったのは「300万円~500万円未満」、次いで「1000万円~3000万円未満」でした。
資本金別の平均年収
資本金の額は年収に比例するのかも考えてみましょう。国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」によると、資本金別の平均給与は表2のようになります。
表2
資本金 | 平均年収 |
---|---|
2000万円未満 | 380万7000円 |
2000万円~5000万円 | 417万2000円 |
5000万円~1億円 | 422万5000円 |
1億円~10億円 | 477万円 |
10億円以上 | 615万6000円 |
※国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」を基に筆者作成
資本金の額が多くなればなるほど平均年収は高くなる傾向があり、とくに資本金が10億円を超える企業では、年収600万円を超える結果となっています。
転職するなら資本金の多い会社がよい?
資本金の多い企業は、会社としての体力もあり安心できると考えることもできるでしょう。現在の会社が資本金が少なく、かつ給料に不満がある場合、転職を考えるのも1つの方法です。
ただし、資本金は増資や会社の経営状況によって変動するとされています。そのため、資本金が多いからといって、必ずしも会社としての価値が高いとはいい切れません。
転職活動では、仕事内容や給与、労働環境など自分が何を重視したいのか、ある程度条件を決めておくことが大切です。そのうえで、資本金は1つの参考値として考えるようにしましょう。
資本金は1つの目安。正しい目で会社を見極めよう
資本金は、会社経営に必要な元手金のことを指します。額が大きい方が、会社としては体力があると捉えられ、他社からの信用も得やすくなる可能性があるようです。また、資本金が多くなるほど平均年収も高くなる傾向です。
ただし、資本金はさまざまなことで変動する場合があります。転職を考える際は、資本金さえ多ければよい会社とは考えずに、あくまでも1つの参考として見るようにしましょう。
出典
e-Stat 政府統計の総合窓口 経済センサス‐活動調査 令和3年経済センサス‐活動調査 速報集計 企業等に関する集計
国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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