大卒新卒の初任給が「36万円」の企業が!? 「10年前」と比べてどれほど違うのでしょうか?
配信日: 2025.02.25

では、現在の新卒の初任給はどのくらいなのか、そして10年前と比べてどれほど違うのでしょうか。本記事では、初任給の推移や企業が高額な初任給を設定する背景について解説していきます。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次 [非表示]
初任給36万円を支給するのはどんな会社?
新卒の初任給が36万円というと、かなりの高額に感じますが、実際にその水準を設定している企業が複数存在します。
これらの企業は、いずれも高いスキルや専門知識を求められる業界であり、人材確保のために高めの給与設定を行っています。特にコンサルティングやIT業界、不動産業界の一部では、新卒から高額な初任給を設定する動きが強まっています。
10年前の初任給と比較するとどれくらい違う?
初任給が36万円というのは、10年前と比べてどれほどの違いがあるのでしょうか。
一般財団法人労務行政研究所の「新入社員の初任給調査」によると、2015年の大卒新卒の水準は20万8722円でした。それに対し、2024年は23万9078円となり、10年間で約3万円の増加となっています。
しかし、これはあくまで平均値であり、36万円という初任給は、10年前の2015年と比べて約11~12万円も高いことになります。この大幅な上昇は、単なる物価上昇の影響だけでは説明できません。
企業が高額な初任給を設定する背景
なぜ一部の企業ではここまで初任給が高くなっているのでしょうか。初任給が大幅に引き上げられる理由として、いくつかの要因が考えられます。
1. 人材確保の競争が激化している
近年、特にIT業界やコンサルティング業界では、高度なスキルを持つ人材の確保が課題となっています。優秀な人材は国内だけでなく、海外企業との競争にもさらされており、企業側は高額な初任給を提示することで優秀な人材を確保しようとしています。
2. 物価上昇と生活コストの変化
物価の上昇に伴い、生活費も高騰しています。特に都市部では家賃や食費などの負担が大きく、新卒でもある程度の給与がなければ生活が厳しいという現実があります。そのため、一部の企業では、最低限の生活水準を確保できるように初任給を引き上げています。
3. 優秀な人材の流出防止
初任給が低いと、入社後すぐに転職を考える新卒社員が増える可能性があります。企業側としては、せっかく採用した人材が短期間で離職してしまうのを防ぐために、初任給を引き上げて定着率を高めようとしています。
すべての企業が初任給を引き上げているわけではない
一方で、すべての企業が初任給を36万円に引き上げているわけではありません。実際には、前述の東京都労働局の調査で初任給の平均は依然として20万円程度であり、大きな上昇は見られません。
特に中小企業や地方の企業では、まだ初任給の引き上げが進んでいないところも多く、企業の業績や業種によって差が出ています。例えば、ゲーム業界や金融業界、IT業界などでは初任給の大幅な引き上げが見られる一方、飲食業や小売業などのサービス業界を中心にその他の業界では引き上げ幅が小さい、または据え置きの企業もあると考えられます。
まとめ
近年、一部の企業では新卒の初任給を36万円に設定する動きが出ています。これは、ITやコンサルティング業界などの優秀な人材を確保する必要がある企業が、採用競争を勝ち抜くために実施している施策です。
一方で、一般財団法人労務行政研究所の調査を見ると、大卒の初任給は10年前よりも約3万円増加しているものの、23万円前後が一般的です。つまり、36万円という高額な初任給はまだ特定の企業に限られた例であり、すべての企業が賃上げを進めているわけではありません。
とはいえ、今後も人材確保の競争が激しくなるなかで、初任給の引き上げがより一般的になる可能性もあります。特に、専門スキルを持つ人材の需要が高まる業界では、さらに初任給が上がることが予想されます。新卒で高い給与を得たいと考える場合は、業界選びやスキルアップを意識することが重要になってくるでしょう。
出典
一般財団法人労務行政研究所 2015年度 新入社員の初任給調査
一般財団法人労務行政研究所 2024年度 新入社員の初任給調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー