
今回は、住職の年収や収入のしくみなどについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住職の平均年収は?
まずは、住職の平均年収を確認してみましょう。総務省統計局の発表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、10人以上の企業規模に勤務する住職の平均年収は表1になります。なお、この平均年収は、住職のほかに神父・僧侶・牧師など宗教活動に従事する宗教家全体の平均年収です。
表1
きまって支給する現金給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 年収 |
---|---|---|
34万7400円 | 97万4500円 | 514万3300円 |
総務省統計局「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
「きまって支給する現金給与額」とは、一般的に基本給に家族手当や通勤手当、時間外手当などの手当を含んだ額で、社会保険などを控除する前の額です。住職の平均年収は514万3300円となっています。
なお、国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均年収は459万5000円であることから、住職の年収は平均よりもおよそ55万円高いことが分かります。
お寺の収入源
住職の報酬を考える前に、お寺に入ってくるお金をまず考えなければなりません。京都などの有名な寺であれば、拝観料をとっておりその収入もあるかもしれませんが、一般的なお寺の収入源は「お布施」「護持費」の2つです。
お布施は、法事や葬儀の際に檀家が支払うもので、聞いたことのある人も多いかもしれません。護持費は護持会費とも呼ばれ、お墓や納骨堂の購入者が、清掃や供養など管理を任せるために支払う費用です。これらは、檀家から受け取るものであり、檀家の数が多ければ多いほど、お寺の収入は上がっていきます。
しかし近年は、結婚しない人が増えたことや少子化などもあり、檀家の数は減少傾向にあるようです。お寺の運営を安定して行うためには、300軒の檀家が必要だともいわれています。今後は、それほど数が集まらないお寺が増加していく可能性も考えられるでしょう。
住職の収入のしくみ
気になる住職の収入ですが、注意点として、お寺の収入すべてが住職の収入になるわけではありません。お寺の収入は「法人収入」として計上され、住職はその中から給与を受け取る形になります。住職の給与やお布施などの使い道は、檀家の総代らと話し合いの上、決定しているようです。
当然、お布施など、お寺の収入が少なければ、それだけ住職の収入も少なくなるため、平均年収は514万3300円ではありますが、お寺の規模によって住職の収入には差があることが予想されます。そのため、副業をする住職も中にはいるようです。
住職の副業とは
住職が行う副業としては、仏事など法要に関する副業と、一般的な副業があるようです。法要に関する副業としては、ペット供養やお守り・おみくじの販売、水子供養などが考えられるでしょう。
一般的な副業としては幼稚園や保育園、駐車場の経営などが挙げられます。かつて、お寺の敷地内にある幼稚園へ通った経験がある人もいるでしょう。これらのほかに、結婚式の披露宴や宿泊施設の経営なども該当します。
住職の平均年収はおよそ515万円! ただし、檀家の数によっては収入が少ないことも
総務省統計局の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、住職の平均年収はおよそ515万円です。この数字は、給与所得者全体の平均年収と比べて、55万円程高い金額です。
しかし、住職の収入は、お布施などの額によって変わります。檀家の数が少ないお寺の住職の場合、満足な収入が得られず、副業に取り組む住職もいるようです。一人ひとりにあったやり方で、収入を得ているため、一概に言えないことが多いようです。
出典
総務省統計局 令和5年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査 Ⅱ1年を通じて勤務した給与所得者 2平均給与 (第8表)平均給与 (15ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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