「40歳の会社員」が「転職」する場合、「年収は下がる」ことが多い? 統計データから解説
配信日: 2025.03.27

本記事では、最新の統計データを基に、40歳の会社員が転職する際の年収変化や転職状況について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
40歳で転職はどのくらいしているのか
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、年齢別に見た1年間の男女別の転職入職率は表1のとおりです。転職入職者は過去1年以内に別の仕事をしていた人を指します。
表1
年齢層 | 男性転職率 | 女性転職率 |
---|---|---|
30~34歳 | 9.5% | 14.0% |
35~39歳 | 7.7% | 10.7% |
40~44歳 | 5.7% | 9.6% |
45~49歳 | 5.4% | 10.0% |
50~54歳 | 5.1% | 9.6% |
※厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」を基に筆者作成
表1から、年齢が上がるにつれて転職入職率は徐々に低下していることが分かります。特に40代以降になると、男性の転職割合が低くなる傾向にあるようです。
40歳の平均年収はいくらか
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、40~44歳の平均年収は約503万円です。平均年収のピークは、55~59歳の約553万円ですので、40歳はこのまま今の環境で働き続けてもしばらく年収の伸びを期待できる可能性がある年齢といえます。
年齢別・性別の平均年収は表2のとおりです。
表2
年齢層 | 男性平均年収 | 女性平均年収 | 全体平均年収 |
---|---|---|---|
30~34歳 | 約496万円 | 約345万円 | 約433万円 |
35~39歳 | 約562万円 | 約339万円 | 約471万円 |
40~44歳 | 約617万円 | 約345万円 | 約503万円 |
45~49歳 | 約659万円 | 約346万円 | 約526万円 |
50~54歳 | 約697万円 | 約346万円 | 約546万円 |
55~59歳 | 約721万円 | 約335万円 | 約553万円 |
※国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」を基に筆者作成
これらのデータからは、男性の平均年収は年齢とともに上昇しますが、女性の平均年収は横ばい傾向にあることが分かります。
40歳の転職後の年収は下がるのか
では、実際に40歳で転職をすると、どのようになるのでしょうか。転職後の年収は、業界や職種によって異なりますが、年収が上がる場合と下がる場合、それぞれが想定されるケースを見ていきましょう。
年収が下がる可能性のあるケース
1・未経験業界や職種へ転職するケース
このケースでは、これまで培ってきた経験やスキルが十分に生かせず、企業側も「新人」として扱うため、おおむね給与は低くなる可能性があります。特に、専門職や技術職の場合は、即戦力としてのスキルが求められる傾向があるため、未経験の転職では給与が低く設定されることが多いようです。
2・中小企業へ転職するケース
大企業と中小企業では給与水準が異なることがあります。大企業は規模の大きさや安定した収益基盤により、給与は比較的高めに設定されていることが多いですが、中小企業ではコスト管理の関係で給与は低くなることがあるでしょう。加えて、賞与や福利厚生の違いも大きいため、転職後の総収入で大きく差がつくことがあります。
例えば、従業員1000人以上の大企業で課長職として年収600万円をもらっていた人が、従業員100人規模の企業に転職した場合、業界と役職が同じでも年収が600万円以下になることも珍しくないようです。
年収が上がる可能性のあるケース
1・専門スキルや資格を生かして転職するケース
企業は専門スキルや資格を持った人材を求めている傾向があります。特に、即戦力として活躍できる場合は、企業側も高い給与を提示することがあるでしょう。
例えば、ファイナンシャル・プランナー(FP)や公認会計士、弁護士などの資格を持っている場合、転職時にそのスキルを生かして高収入の仕事に就ける可能性があります。
2・管理職やマネジメント経験を生かして転職するケース
企業はマネジメント経験が豊富な人材を求めており、特にリーダーシップを発揮できる人には高い報酬を提示することがあります。管理職経験者は、単なる実務スキルだけでなく、組織をまとめる力や人材育成の能力も評価される傾向があるため、転職時に給与アップの交渉がしやすくなる可能性があります。
例えば、課長職から部長職への転職が成功した場合、年収が大幅に上がるケースもあるでしょう。また、外資系企業ではマネジメント経験が重要視される傾向があるため、日本企業よりも高い給与が提示されることもあります。
何よりもやりたい仕事に就くことが大切
40歳での転職は、未経験分野への転職や中小企業への転職では年収が下がる可能性があります。一方で、専門スキルや管理職経験を生かした転職では年収がアップすることもあるでしょう。転職を考える際には、業界や職種の特性を理解し、自分のキャリアの強みを最大限に生かすことが重要です。
出典
厚生労働省 令和4年雇用動向調査結果の概況
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー