うちの子どもは春から「新社会人」なのですが、初任給が「25万円以上」貰えるとのことで驚きました。私たちのときは「20万円程度」だったと思うのですが、今はこれくらいが普通なのでしょうか?
配信日: 2025.03.27

本記事では、初任給の平均額をはじめ、具体的な初任給の引き上げ額も解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大学卒の初任給は「平均約24万円」
一般財団法人労務行政研究所が東証プライム上場企業152社を対象に集計した「2024年度 新入社員の初任給調査」(以下、同調査)によると、学歴別の初任給水準は表1の通りです。
表1
高校卒 (事務・技術)一律 |
短大卒 (事務) |
大学卒 (事務・技術)一律 |
大学院卒修士 | |
---|---|---|---|---|
全産業 | 19万3427円 | 20万5887円 | 23万9078円 | 25万9228円 |
製造業 | 19万1014円 | 20万3530円 | 24万175円 | 26万2559円 |
非製造業 | 20万1753円 | 21万780円 | 23万6972円 | 25万2081円 |
出典:一般財団法人労務行政研究所「2024年度 新入社員の初任給調査」を基に筆者作成
表1を見ると、大学卒の初任給は「平均約24万円」となっています。また、大学院卒であれば、初任給でも「平均約26万円」もらえる結果となりました。
初任給を「全学歴引き上げ」た企業は「86.8%」
同調査によると、初任給を「全学歴引き上げ」た企業は「86.8%」にも上りました。過去10年間における初任給の引き上げ率の推移は表2の通りです。
表2
2015年 | 39.9% |
2016年 | 33.9% |
2017年 | 29.4% |
2018年 | 39.7% |
2019年 | 35.7% |
2020年 | 32.9% |
2021年 | 17.1% |
2022年 | 41.8% |
2023年 | 70.7% |
2024年 | 86.8% |
出典:一般財団法人労務行政研究所「2024年度 新入社員の初任給調査」を基に筆者作成
2021年度はコロナ禍の影響を受け、初任給の引き上げ率が大幅に減少しましたが、その後V字回復してきており、2024年度は過去10年間で最高の数値となりました。
なぜ多くの企業が新卒の初任給を引き上げているのか
新卒の初任給を引き上げる企業が増えている背景には、以下の3つの要因が考えられます。
・新卒採用市場の競争激化
人材不足が深刻化する中、2024年卒の大学生向け求人倍率は2倍近くに上昇しているとされています。今後も求人倍率の上昇が予想されるため、企業は初任給を引き上げて人材確保を図る傾向が強まるかもしれません。
・グローバルな競争の激化
国内外での採用競争が激化し、留学生を採用する企業が増加しているようです。また、高スキルの理系学生は、より高額な報酬のために海外企業への就職を選ぶ傾向が高いとされています。
・物価の上昇
生活必需品の価格が上昇していることから、企業は従業員の生活を守るために賃金を引き上げる必要があると考えられます。
初任給を引き上げた場合の上昇額は「平均1万3746円」
同調査によると、初任給の上昇額はどの学歴でも「1万円~1万2000円未満」が最も多い結果となりました(大学卒のみ「1万4000円~1万6000円未満」も同率最多)。それぞれの学歴の平均上昇額は表3の通りです。
表3
高校卒 (事務・技術)一律 |
短大卒 (事務) |
大学卒 (事務・技術)一律 |
大学院卒修士 | |
---|---|---|---|---|
平均 | 1万2420円 | 1万2892円 | 1万3746円 | 1万6057円 |
出典:一般財団法人労務行政研究所「2024年度 新入社員の初任給調査」を基に筆者作成
どの学歴においても1万円以上の増額となっており、おおむね1万2000円~1万6000円ほどの上昇という結果でした。
まとめ
少子高齢化が進んでいる現代日本では、若手の人材確保が各企業の課題となってきています。その中の対応策のひとつとして、初任給の引き上げが考えられるでしょう。
一般財団法人労務行政研究所が実施した「2024年度 新入社員の初任給調査」によると、上昇額の平均は1万2000円から1万6000円ほどでした。大学院卒であれば、初任給で「25万円以上」もらえるのも平均的といえるでしょう。
出典
一般財団法人労務行政研究所 2024 年度 新入社員の初任給調査(2ページ~4ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー