「看護師はお給料が高い」イメージですが、実際の年収はいくらくらいなのでしょうか?
配信日: 2025.03.30 更新日: 2025.04.01

では、看護師は実際にどの程度の年収を得ているのでしょうか。本記事では、看護師の年収について詳しく解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「看護師」の平均年収は「450万円~560万円程度」
看護師の年収は病院の規模や役職、勤続年数によって大きく変わります。ここでは厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に、年収の内訳を表1にまとめました。
表1
企業規模計 | 10人以上 | 10~99人 | 100~999人 | 1000人以上 |
---|---|---|---|---|
勤続年数 | 9.8年 | 7.8年 | 10.0年 | 10.2年 |
月額給与 | 35万2100円 | 32万1100円 | 34万2300円 | 37万6500円 |
ボーナス等 | 85万6500円 | 67万3700円 | 75万6400円 | 105万3200円 |
年収 | 508万1700円 | 452万6900円 | 486万4000円 | 557万1200円 |
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
表1の結果から、看護師の年収は「450万円~560万円程度」と予想されます。なお、月額給与には所定内賃金や時間外勤務手当・深夜勤務手当などが含まれ、ボーナス等は年間賞与やその他特別給与などの合計です。
「仕事量に対して年収が見合っていない」という声も
仕事量に対して年収が見合っていない、と感じる看護師もいるようです。中には、労働環境や待遇が改善されないことを理由に、看護師を辞めてしまうケースも考えられます。結果として、看護師は常に人手不足に悩まされる職業となっているようです。
さらに、一部の病院では人員不足を解消するために、新しく入職する看護師の基本給を以前より高く設定しています。そのため、自分より後に入職した経験の浅い看護師に比べて、低い給与で多くの仕事を抱えているケースもあるようです。また、公立病院においては、社会の流れに応じてボーナスなどが減額されることもあります。
「4割」が昇給額に「非常に不満」または「不満」と回答
看護師の40パーセント以上は、昇給額にも不満を抱いているようです。
株式会社SOKKINの「看護師の給料調査」によると、昇給額について「不満」という回答が32パーセント、次いで「普通」が28パーセントという結果になりました。
また、入社時からの昇給額は「10万円未満」が最多の45パーセントに達し、その中で9パーセントは昇給が0円という結果が出ています。
職場によって環境や待遇はさまざまです。同調査の中では、経験年数に応じて年収が安定していると回答されている方もいました。昇給率が良ければ、現在の年収が低くても将来的な上昇も期待できるでしょう。しかし、現在の職場で5年目を迎えた看護師からは、毎年約1パーセントの昇給しかないとの具体的な意見も寄せられています。
さらに、サービス残業が多い、残業申請の手続きも煩雑という意見も聞かれました。一部の病院では、30分程度のサービス残業を前提にシフトが組まれ、これに対する賃金は支払われないという報告もあります。
このように、仕事量と残業が多く、給与が上がらない中でプライベートを充実させるのは難しいと感じている看護師も多いのかもしれません。
まとめ
看護師の年収は「450万円~560万円程度」が予想されるため、「高価なブランド品」の購入も可能かもしれません。しかし、仕事量に見合った給料を得られていないと不満に思う看護師は多いようです。看護師は離職率が高く、常に人手が不足しているため、過重労働や夜勤サービス残業などの労働環境や待遇の改善が求められています。
出典
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査
株式会社SOKKIN 看護なび【看護師の給料調査】6割弱が年収は400万円未満と回答。4割が給与に関して不満を感じており、「始業前残業が前提で業務が組まれているが、残業代は支給されない。」という声も。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー