「学歴」と「年収」の関係を教えてください。高卒・大卒・院卒では、生涯年収にどれくらいの差があるのでしょうか?
配信日: 2025.03.30 更新日: 2025.04.02

また、学歴がすべてではないという視点から、収入を伸ばすためにできることについてもご紹介します。進路やキャリアを考える上で、きっと参考になるはずです。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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学歴と年収はどれくらい関係ある?基本データをチェック
まず、学歴と年収の関係を示す基本的なデータを確認しましょう。厚生労働省が発表している「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)」によると、最終学歴による初任給の違いは以下のとおりです。
●高校卒業:16万7400円
●短大・高専卒:18万3900円
●大学卒業:21万200円
●大学院(修士)卒:23万8900円
このように、スタート時点から学歴による収入差が存在しています。そしてこの差は、長いキャリアを通じて積み重なっていくのです。
高卒・大卒・院卒の生涯年収はどれくらい違う?
独立行政法人労働政策研究・研修機構 「ユースフル労働統計2024」によると男女別に見た学歴ごとの平均的な生涯年収は以下のとおりです。
●高卒:約2億880万円
●短大・高専卒:約2億3300万円
●大卒:約2億5100万円
●大学院卒:約3億460万円
●高卒:約1億5440万円
●短大・高専卒:約1億7570万円
●大卒:約2億190万円
●大学院卒:約2億5480万円
男女共通して、大卒・大学院卒は高卒に比べて生涯で5000万円〜1億円ほど多く収入を得ているというデータがあります。これは単純に年収だけでなく、役職・昇進・福利厚生なども影響しています。
学歴以外に年収を左右する要素とは?
とはいえ、学歴だけで年収が決まるわけではありません。以下のような要素も、収入に大きく関係します。
1.勤務する企業の規模や業種
大企業ほど賃金が高く、福利厚生も手厚い傾向があります。例えば、同じ大学卒でも、大手総合商社と中小企業では年収に1000万円以上の差がつくこともあります。
2.働く地域
首都圏や都市部は物価が高いぶん、給料も高くなる傾向があります。
3.成果主義か年功序列か
ITや外資系企業など、実力主義の会社では学歴よりも実績が重視されることもあります。
4.個人のスキル・資格・転職経験
特定のスキルや専門知識を持っている人は、学歴を問わず高収入の道が開けます。
学歴がすべてじゃない。年収アップのためにできること
もし現在の学歴に不安があったとしても、年収を上げる方法はたくさんあります。例えば以下のような方法です。
1.資格を取得する
宅建士、FP、IT系資格などはスキルの証明になり、収入アップにつながります。
2.副業や投資で収入源を増やす
本業だけに頼らず、複数の収入源を持つことで収入を底上げできます。
3.成果主義の企業に転職する
実績で評価される環境を選ぶことで、学歴に関係なく高収入を目指せます。
4.学び直し(リカレント教育)を活用する
社会人になってからでも、通信制大学やオンライン講座を活用してスキルアップする人が増えています。
まとめ
学歴と年収には確かに関係があります。特に高卒と大卒では、生涯で数千万円の収入差が生じる可能性もあることがデータから分かります。
しかし、学歴だけがすべてではありません。どんな企業に就職するか、どんなスキルを身につけるか、自分の強みをどう活かすかによって、年収はいくらでも伸ばすことができます。
これから進路や転職を考える方は、学歴だけにとらわれず、広い視野でキャリア設計をしてみてください。努力と工夫で、望む未来を手にすることは十分に可能です。
出典
厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2024 21 生涯賃金など生涯に関する指標
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー