自衛隊員の年収はいくら? 階級ごとの差はどのくらい?
配信日: 2025.03.31 更新日: 2025.04.01


執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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自衛隊員の階級と年収の関係
自衛隊員の階級は、「士」「曹」「尉官」「佐官」「将官」の5つに大きく分類され、それぞれ細かく階級が分かれています。一般的には、上位の階級ほど年収が高くなります。
最下位の二等陸士は、初任給の年収が約266万円ですが、将官ともなると1000万円を優に超える年収です。幹部候補生として採用された場合は、大学卒で約24万円、大学院卒で約26万円と、初任給から比較的高額になります。
自衛隊員の具体的な年収例
自衛官候補生として採用後、約3ヶ月間の教育隊を経て任命される最初の階級は、二等陸士・海士・空士です。初任給は高校卒が約20万円、大学卒では約24万円です。
昇任試験に合格すると、一等陸士・海士・空士、上等陸士・海士・空士へと階級が上がり、俸給も増加します。幹部候補生以外の隊員が昇任を目指す階級は曹です。三曹から始まり、二曹、一曹、曹長と階級が上がっていきます。
一曹の俸給は号俸1で約23万円で、約4.5ヶ月分の俸給がボーナスとして支給されるため、年収は380万円ほどです。幹部自衛官の初級にあたる階級は尉官です。
三尉から始まり、二尉、一尉と階級が上がり、幹部候補生学校を卒業した幹部候補生は三尉からスタートします。一尉の俸給は号俸1で約28万円で、年収は約462万円です。幹部自衛官の中級にあたる階級は佐官です。三佐から始まり、二佐、一佐と階級が上がります。
一佐の俸給は約40〜46万円で、年収は740万円ほどになります。幹部自衛官の最上級にあたる階級は将官です。将補から始まり、最終的に将となります。将補の俸給は約51万円以上、将は約70万円以上で、将の年収は1000万円を優に超えます。
自衛隊員の昇進と年収の変化
自衛隊員の昇進は、能力と勤務成績に基づいて行われます。昇進試験に合格することで階級が上がり、基本給の増加以外にも役職手当や階級手当などの加算によって年収が増加します。昇進は自衛官にとってキャリアアップの重要な要素です。収入増加だけでなく、責任と権限の拡大にもつながるでしょう。
昇進による年収の変化は、階級の上昇幅によって大きく異なります。二等陸士から一等陸士への昇進では年収の増加幅が比較的小さなものですが、曹長から三尉へ大きく階級が上がる場合には各種手当が大きく増加するため、年収の増加幅も大きくなります。
自衛隊員の諸手当と福利厚生
自衛隊員の基本給以外の収入はさまざまです。物価の高い地域に勤務する隊員には地域手当が支給されたり、特殊な技能や危険を伴う職務に従事する隊員には「特殊勤務手当」が支給されたりします。
また、家族を扶養している隊員に対する扶養手当、民間住宅を借りて居住する隊員に対する住居手当をはじめ、通勤費用を補助する通勤手当も支給されます。これらの手当は、隊員の生活の安定を図り、任務の特殊性や勤務地の状況を考慮したものです。
さらに、自衛隊員は福利厚生も充実しています。隊員とその家族の生活を支援するためのさまざまな制度が設けられています。独身隊員や家族帯同の隊員のために用意された隊員宿舎は、比較的安価な宿舎費で隊員の経済的な負担を軽減するものです。
なお、各基地・駐屯地には医療施設が設置され、隊員は無料で医療サービスが受けられます。基地・駐屯地内には体育館、プール、図書館などのレクリエーション施設が整備され、隊員の健康増進や余暇活動の充実を図っています。
これらの手当や福利厚生は、自衛隊員が安心して職務に専念できるよう、生活の安定を保障する重要な役割を果たしているといえるでしょう。
自衛隊員の年収は階級ごとでさまざま
自衛隊員の年収は、階級や勤続年数、手当などによって大きく変動します。昇進することで年収は増加し、隊員宿舎を比較的安価な宿舎費で利用することにより、生活の安定につながります。自衛隊員は、日本の安全を守るという責任ある仕事であると同時に、安定した収入と充実した福利厚生が魅力の職業といえるでしょう。
出典
自衛官のお給料について | 防衛省・自衛隊帯広地方協力本部
防衛省 自衛官俸給表
防衛省 自衛隊Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー