実家暮らしで「年収310万円」のアルバイト中! バイト先で「厚生年金」に加入してるし貯金もあるなら、正社員じゃなくても安心? 実際「正社員のメリット」はどんなものがある?
配信日: 2025.04.03

しかし、アルバイトと正社員では、将来的な保障やキャリア面などで違いがあります。本記事では、厚生年金に加入しているアルバイトの場合でも、正社員を目指すべきかどうかを判断するポイントを解説します。

執筆者:渡邉志帆(わたなべ しほ)
FP2級
アルバイトでも厚生年金に加入していれば安心?
アルバイトでも一定の条件を満たせば、厚生年金に加入できます。厚生年金に加入している場合、将来受け取る年金は国民年金に上乗せされるため、老後の生活にある程度の保障があると感じる人もいるかもしれません。
厚生労働省の調査によると、パートやアルバイト等の非正規雇用で働く人数は2022年から3年連続で増加しています。正社員になっても年収が同程度であれば、「正社員になるメリットは少ないのでは?」と感じる人もいるでしょう。
ただし、アルバイト勤務の場合、勤務先の都合でシフトが減らされたり、契約が終了したりするリスクも考慮しなければなりません。
正社員になるメリット
アルバイトではなく正社員になると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
雇用の安定性
正社員は、基本的に無期雇用であり、雇用の安定性が高いのが最大の魅力です。景気の影響を受けにくく、突然仕事を失うリスクが低いため、将来的な安心感があるでしょう。
手厚い福利厚生
厚生年金に加えて、企業によっては住宅手当や交通費の支給、退職金制度などもあり、トータルの待遇面ではアルバイトよりも有利な点が多いでしょう。
キャリアアップと収入の増加
正社員には、昇給や管理職への昇進の機会により、長期的には収入が増える可能性があります。国税庁の調査によると、令和5年の正社員の平均年収は530万円、正社員以外の平均年収は202万円となっており、収入の差が大きくなっています。
社会的信用が高まる
一般的に、アルバイトよりも正社員のほうが、住宅ローンやクレジットカードの審査では有利と言われています。国土交通省が実施した「民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、9割以上の金融機関が、年収、勤続年数、完済時の年齢を審査項目にしており、雇用が安定しているかどうかを重視していると言えます。
一方、正社員には残業や責任が増えるなどの負担もあります。そのため、生活スタイルや価値観によっては、正社員を目指す必要はないかもしれません。
正社員を目指すか検討するポイント
すべての人にとって、正社員になることがベストとは限りません。以下は、正社員を目指すかどうかを検討する主なポイントです。
今後のライフプランを考える
将来的に結婚やマイホームの購入などを考えるなら、ローンが通りやすいとされる正社員のほうが有利かもしれません。昇給やボーナスによって収入の増加も見込めるでしょう。
仕事に対する価値観
キャリアアップやスキル向上を目指すなら、正社員として経験を積むことが重要です。一方、趣味や勉強の時間を多くとりたい、決められた時間だけ働きたいなど、自由な働き方を重視する場合はアルバイトのほうが合っている可能性があります。
健康状態や働き方のバランス
正社員は残業時間が増えたり責任が重くなったりするため、体力や精神的な負担も考慮する必要があります。異動や転勤による環境の変化が苦手な人には不向きかもしれません。
まとめ
アルバイトでも、厚生年金に加入していれば老後の基本的な保障は得られますが、正社員には雇用の安定性や福利厚生、社会的信用などのメリットがあります。
将来的に結婚や住宅購入を考えている場合、正社員のほうが有利ですが、自由な働き方やプライベートの時間を重視する場合、アルバイトのほうが向いていることもあるでしょう。
今後のライフプランや仕事に対する価値観を考慮し、ベストな選択をすることが大切です。
出典
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
国土交通省 住宅局 令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書
執筆者:渡邉志帆
FP2級