「給料が上がらないのに税金だけ増える」は実際に起きている?会社員が節税するのに効果的な方法とは?

配信日: 2025.04.04

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「給料が上がらないのに税金だけ増える」は実際に起きている?会社員が節税するのに効果的な方法とは?
会社員の手取りにおいて、大きな要素となるのは給料と税金、そして社会保険料です。
 
本記事では、「給料が上がらないのに税金だけ増える」という状況が実際に起きているのかについて、平均年収や租税負担率の推移を基に解説します。また、会社員におすすめの節税方法なども紹介します。
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平均年収と租税負担率の推移

ここからは、過去数年間における平均年収と租税負担率の推移について解説します。
 

平均年収の推移

国税庁長官官房企画課の「令和5年分民間給与実態統計調査」を参考に、令和元年~令和5年までの平均年収を表1にまとめました。
 
表1

平均年収
令和元年 438万4000円
令和2年 435万1000円
令和3年 445万7000円
令和4年 457万6000円
令和5年 459万5000円

出典:国税庁長官官房企画課「令和5年分民間給与実態統計調査」を基に筆者作成
 
令和元年から令和5年までの平均年収の推移を見てみると、令和元年から令和2年を除いてわずかに上昇しています。ただし、年収で数万円から十数万円の上昇では、平均年収が上昇している実感が湧かない方もいるでしょう。月収で考えると、上昇した金額はさらにわずかになります。数値は上昇していても、体感的には「給料が上がらない」と感じるかもしれません。
 

租税負担率の推移

租税負担率とは、国民所得に対する租税負担の比率のことです。また、租税負担と社会保障負担を合わせた、義務的な公的負担のことを国民負担といいます。なお、国民所得に対する国民負担の比率が国民負担率です。
 
財務省の「負担率に関する資料」を参考に、令和元年~令和5年までの租税負担率と社会保障負担率、国民負担率を表2にまとめました。
 
表2

租税負担率 社会保障負担率 国民負担率
令和元年 25.7% 18.5% 44.2%
令和2年 28.1% 19.6% 47.7%
令和3年 28.9% 19.2% 48.1%
令和4年 29.4% 19.0% 48.4%
令和5年 27.5% 18.6% 46.1%

出典:財務省「負担率に関する資料」を基に筆者作成
 
表2のうち、令和5年の結果は実績見込みとされています。令和5年の実績次第ではありますが、租税負担率の推移は基本的に上昇傾向にあるといえるでしょう。令和元年を基準に考えると大幅な上昇といえますが、それ以降の上昇幅はわずかです。
 

会社員におすすめの節税方法

会社員が自由に使えるお金、いわゆる可処分所得を増やす方法のひとつに節税があります。節税を行って支払う税金が少なくなれば、可処分所得は増えるでしょう。
 
以下に、会社員におすすめの節税方法を3つまとめました。

●セルフメディケーション税制
●iDeCo
●ふるさと納税

 

セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制を利用すると、薬局などで対面購入できる特定一般用医薬品の購入費(保険金などで補てんされる部分を除く)のうち、1万2000円を超えた部分が所得控除されます。なお、控除額の上限は8万8000円です。
 
セルフメディケーション税制を利用する場合は、予防接種や定期健康診断など、健康の保持増進および疾病予防への一定の取り組みを行っている必要があるため注意してください。また、医療費控除とセルフメディケーション税制を併用することはできません。
 

iDeCo

iDeCoとは私的年金制度のひとつで、個人型確定拠出年金ともいいます。自分で掛け金を拠出し、運用する年金制度です。掛け金と運用益を基に、将来的に給付金を受け取れます。
 
iDeCoでは、掛け金が全額所得控除の対象になるほか、掛け金の運用によって発生した運用益にも税金がかかりません。ただし、iDeCoには元本割れのリスクがあり、運用次第では資産が減る可能性もあります。
 

ふるさと納税

ふるさと納税は好きな自治体に寄付をすることで、控除上限額の範囲内で寄付金控除を受けられます。なお、控除上限額はそれぞれの収入などによって異なります。
 
ふるさと納税を行うと、寄付をした自治体から寄付額の最大3割相当の返礼品が贈られることがあります。自己負担2000円で各地域の名産品を受け取れるため、お得な制度といえるでしょう。
 
ただし、控除上限額によってはふるさと納税を行うことで、損をするケースもあります。控除上限額を超えて寄付をしてしまうと、ふるさと納税で行った寄付に対して、全額寄付金控除を受けることができなくなってしまうためです。
 
その場合、自己負担額が2000円を超えてしまうため、ふるさと納税を利用する際には、専門のサイトなどで控除上限額のシミュレーションを行うことをおすすめします。
 

平均年収と租税負担率はわずかに上昇傾向にある

令和元年から令和5年までの平均年収と租税負担率の推移を見てみると、どちらもわずかに上昇傾向にあるようです。そのため、数値的には「給料が上がらないのに税金だけ増える」状況にはなっていません。
 
しかし、納める税金や年収は人によって異なるため、それぞれの状況次第では「給料が上がらないのに税金だけ増えている」こともあるでしょう。この記事で紹介した方法を参考に、上手に節税していきましょう。
 

出典

国税庁長官官房企画課 令和5年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)
財務省 負担率に関する資料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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