「国税庁」の職員はどのような仕事をしているの? 年収や組織図についても解説

配信日: 2025.04.06

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「国税庁」の職員はどのような仕事をしているの? 年収や組織図についても解説
国の財政を支えるうえで、欠かせない税金。その適正な運用と徴収を担っているのが、国税庁の職員です。日頃はあまり接する機会がないかもしれませんが、実は私たちの生活と密接に関わっています。「国税専門官ってどんな仕事?」「公務員としての安定性は?」と、気になる方もいるでしょう。
 
そこで本記事では、国税庁職員の仕事内容や組織構成、年収の目安などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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国税庁職員の主な仕事内容とは?

国税庁の職員は、主に「課税」「徴収」「審理」「広報・相談」といった業務に分かれています。税金の申告・納付が正しく行われるように、そして滞納があれば回収するようにと、社会の公平を守るための仕事をしています。
 
例えば、課税業務では、個人や企業の申告内容に基づいて税額を確認し、不正が疑われる場合には税務調査を行います。調査対象は、個人事業主から大企業までさまざま。場合によっては、複数人のチームで長期間にわたる調査を実施することもあります。
 
徴収業務では、期限までに納税がされなかった人に対して督促を行い、それでも支払いがない場合は財産の差し押さえなどの法的手続きに進みます。税収を確保するための、重要かつ責任の重い仕事です。
 
審理業務は、納税者が税務署の処分に不服を申し立てた場合、その内容を精査して適正な判断を下す仕事です。税法の専門知識が求められ、法律を根拠に冷静な対応が必要になります。
 
一方、広報・相談業務では、税に関する知識を広めたり、納税者からの疑問に答えたりといった、対話的な役割を担います。確定申告シーズンには電話や窓口での対応が増え、多くの人と接する機会もあります。
 
このように国税庁の仕事は多岐にわたり、「税のプロフェッショナル」として公正な社会の実現に貢献しています。
 

国税庁の組織構成はどうなっている?

国税庁は、全国の税務行政を統括する大きな組織です。その構造は以下のように大きく3つに分けられます。
 
まず、東京都にある国税庁本庁が、税務行政全体の企画や政策立案、制度設計を担っています。本庁には「長官官房」「課税部」「徴収部」「調査査察部」などの専門部門があり、全国の方針を決定します。
 
次に、地方ごとの中枢として機能するのが国税局です。全国各地に11の国税局と1つの国税事務所(沖縄)が存在し、それぞれの地域に応じた運営を行っています。東京国税局や大阪国税局など、人口の多い都市圏では特に大規模な組織となっています。
 
そして、納税者にもっとも近い存在であるのが、全国に524ヶ所ある税務署です。ここでは、実際の申告受付や税務相談、調査・徴収といった現場対応が行われています。職員は日々、地域住民や企業の納税者と直接接しながら業務を遂行しており、「税務署=国税庁の現場部隊」といっても過言ではありません。
 
この三層構造により、国税庁は広範囲にわたる日本の税務行政を、効率的かつ統一的に進めています。
 

国税庁職員の年収はどれくらい?

国税庁職員の給与は、国家公務員としての給与体系に準じており、安定性が高いことで知られています。
 
例えば、国税専門官(大卒程度)として採用された場合の初任給は、25万1700円(税務職俸給表1級22号俸)です。それに加えて、地域手当や住居手当、扶養手当などの各種手当が支給されます。賞与は年2回(令和6年は年間4.6ヶ月分)支給され、初年度の年収は地域手当込みで420〜450万円程度からスタートします。
 
その後、勤務年数や昇進に応じて年収は上がり、30代後半〜40代で600万円台、統括国税調査官クラスでは700万円を超えることもあります。特に調査や審理など専門性の高い分野でキャリアを積むことで、昇進のスピードも上がる傾向にあります。
 
また、退職金制度も整っており、長く勤めれば勤めるほど将来の備えも手厚くなるのが国家公務員の魅力のひとつです。
 

国税庁職員は「見えないけれど身近」な税の専門家

国税庁職員は、日々の生活ではあまり目立つ存在ではないかもしれません。しかし、税金が正しく集められ、社会に還元されていくためには、彼らの働きが欠かせません。
 
課税・徴収・審理・相談といった多岐にわたる業務を通じて、法の下で公平な税務行政を支えています。組織としては、本庁・国税局・税務署という三層構造で全国に対応し、どの地域でも同じレベルのサービスが提供できる体制が整っています。
 
年収も国家公務員として安定しており、手厚い福利厚生も整っています。また、昇進や専門分野でのキャリアキャリア形成の機会も魅力です。専門的で責任のある職務ではありますが、その分やりがいも大きい職種だといえるでしょう。
 
「国を支える仕事がしたい」「税に関心がある」「安定した職業に就きたい」と考える人にとって、国税庁職員は非常に有望な選択肢のひとつです。
 

出典

国税庁 国税庁の概要
国税庁 国税庁の機構
人事院 行政職俸給表
人事院 令和6年 人事院勧告・報告の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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