4月から「新社会人」の私、遠方の実家から通っているため「毎月3万円以上の通勤手当」を受け取っています。手取りが多くなるため「税金や社会保険料」も高くなってしまいますか…?

配信日: 2025.04.12

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4月から「新社会人」の私、遠方の実家から通っているため「毎月3万円以上の通勤手当」を受け取っています。手取りが多くなるため「税金や社会保険料」も高くなってしまいますか…?
4月からの新生活を機に新社会人になる方々の中には、実家から会社に通うという方もいれば、会社の近くで一人暮らしを始めるという方もいるかもしれません。会社から通勤手当が出るのは助かりますが、遠方からの通勤で通勤手当が高くなると税金や社会保険料に影響しないのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
当記事では、「通勤手当」の非課税限度額についてや、「通勤手当」は社会保険料の計算に含まれるのかなどを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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「通勤手当」の非課税限度額

厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査 結果の概況」によると、日本の労働者の「通勤手当など」を1ヶ月あたりに換算した平均支給額は「1万1700円」です。通勤手当の支給対象者として想定されるのは、電車やバスなどの公共交通機関を使う人と、自家用車や自転車などを使う人です。
 
国税庁によると、電車やバスなどの公共交通機関のみを利用する人の非課税限度額は、1ヶ月あたり「15万円」が限度のようです。
 
これは、通勤のための時間や運賃、距離などを照合させ、「最も経済的かつ合理的な経路および方法」を選んだ場合の通勤定期券などの金額になります。なお、「最も経済的かつ合理的な経路および方法」の範囲内であれば、特急列車や新幹線を利用した場合の料金や運賃でも、非課税の通勤手当として扱われるとされています。
 
自家用車や自転車などを使う人に対する非課税限度額は、片道の通勤距離で決定します。通勤手当の支給額が限度額以上になると、超える部分の金額が給与として合算して扱われ課税対象となります。この場合は、片道55キロメートル以上のケースにおける1ヶ月あたり3万1600円が最高限度額となります。
 
公共交通機関や自家用車、自転車などを併用する場合の非課税限度額は、以下の2つを合わせた金額になります。
 

・自家用車や自転車などを使って通勤する片道の距離による1ヶ月あたりの非課税限度額
・公共交通機関を利用する場合の1ヶ月の通勤定期券などの金額

 
この場合の非課税限度額の1ヶ月あたりの上限は15万円であり、超える部分は給与として課税対象となります。
 

「通勤手当」は社会保険料の計算に含まれる

通勤手当の支給額が大きくなると、社会保険料に影響する可能性があります。
 
社会保険料の算定のための標準報酬月額の定時決定では、標準報酬月額を求める前の3ヶ月において支払われた報酬の合計額をその期間の総月数で割り、等級表に当てはめて算出します。
 
この場合「報酬」には、基本給や各種手当、年4回以上支給される賞与などが含まれるため、通勤手当も標準報酬月額の計算対象に含まれます。そのため、通勤手当が高額になると社会保険料が上がる可能性があります。
 
通勤手当は複数月単位で支給されることが多いですが、日本年金機構によれば、複数月単位で支給された場合でも、標準報酬月額の計算対象の報酬として扱われるので、月数で割って1ヶ月あたりに換算して計算します。
 

まとめ

通勤手当を支給されていることによる「税金や社会保険料」に対する影響は、それぞれ異なります。
 
標準報酬月額の計算に通勤手当が含まれているため、通勤手当の支給額が高額になると、社会保険料は上がる可能性があります。
 
一方で税金については限度はありますが、基本的に1ヶ月15万円を上限として非課税です。自家用車や自転車などで通勤する場合には、片道の通勤距離に応じて非課税限度額が決まります。公共交通機関と自家用車や自転車を併用している場合も非課税限度額はやはり1ヶ月あたり15万円です。
 
「最も経済的かつ合理的な経路および方法」というポイントを押さえ、非課税限度額内で賢く通勤手当を活用しましょう。
 

出典

厚生労働省 令和2年就労条件総合調査 結果の概況 2 賃金制度 (3)諸手当(3ページ)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当
日本年金機構 複数月単位で従業員に支給した通勤手当は、報酬月額に含めますか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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