「年俸制」は「月給制」よりも手取りが多くなる? 給与体系はどう違う?

配信日: 2025.04.14

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「年俸制」は「月給制」よりも手取りが多くなる? 給与体系はどう違う?
年俸制という言葉を、プロスポーツ選手や会社役員の報酬などで聞くことがあるでしょう。近年では役員ではない管理職や一般従業員にも、年俸制を採用するケースが増えているようです。中には「年俸制は月給制よりも手取りが多くなるのでは?」と考える人もいるでしょう。
 
今回は、年俸制の概要や月給制よりも手取りが多くなるかについて調べてみました。年俸制で契約する際の注意点も紹介しますので、参考にしてください。
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年俸制の給与体系について

年俸制は、1年単位で賃金の額を決定する賃金制度です。企業では、以下のような内容で制度を導入すると考えられます。
 

・業績や将来への期待度などを毎年総合評価して1年あたりの賃金額を決める
・毎月支給する月給部分と毎年増減する賞与部分に分けて、年俸更新時のさまざまなルールを設ける
・社員全員を対象とするのではなく管理職や特定職のみに導入する

 
年俸制では賃金を年単位で決定しますが、一括払いはできません。労働基準法第24条にしたがって毎月1回以上、所定期日に支払われます。年12回に分けたり、年14回や16回に分割し12回を超える分を賞与としたりするのが一般的です。
 
企業が年俸制を採用する理由として、1年分の給与を事前に把握でき経営契約を策定しやすい点が考えられます。また、ボーナスを含めた年俸での賃金提示の方が高額となり、労働者を集めやすいこともあげられるでしょう。
 

月給制よりも手取りが多くなる? 年俸制のメリット

年俸制であっても、ほかの給与体系と同様に、所得税や社会保険料が引かれます。年俸制では支払いの回数によって控除額に若干の変動が生じる場合がありますが、月給制よりも手取りが多くなるとは一概にいえません。
 
年俸制にも月給制にもそれぞれメリットとデメリットがあり、これらを理解したうえでどちらがいいか検討することが大切です。
 
たとえば年俸制は、1年間の給与額が決定しているため、長期的なライフプランやローン、旅行などの計画を立てやすいです。個人の能力や成果によっては大幅な増額も期待でき、仕事へのモチベーションがアップする点もメリットといえるでしょう。
 

年俸制で契約する際の注意点

年俸制は最初に決定された年俸額が支払われるため、年度中に優れた成果を出したとしてもすぐに給与に反映されない点に注意が必要です。また勤務年数によって昇給が期待できる月給制とは異なり、その年の成績によっては年俸額が減少する可能性もあるでしょう。
 
また、年俸制で契約する際は、年俸の中に残業代が含まれているケースがあります。年俸制でも時間外労働や休日労働に対しては、年俸とは別に割増賃金が支払われます。
 
しかし、固定残業代制度が適用されている場合は、事前に決められている残業時間を超過しなければ残業代の支払いは発生しないようです。固定残業代制度の有無や、年俸のうちいくらが残業代かなどを、契約時に確認しておくことが大切です。
 
ほかに、ボーナスが支給される場合の支払い方法や欠勤控除、年途中で退職した場合の給与の支払いなど、就業規則・賃金規定・契約書なども調べておくといいでしょう。
 

年俸制は年間で総支給額が決定される給与体系! 月給制より手取りが多くなるかは労働者の成果・業績による

年俸制は1年単位で賃金の額を決定する賃金制度ですが、労働基準法にしたがい、一括ではなく毎月1回以上、所定期日に支払いが行われます。ほかの給与体系と同様に所得税や社会保険料が引かれ、支払いの回数によって控除額に若干の変動が生じる場合がありますが、月給制よりも手取りが多くなるとは限りません。
 
年俸制は勤務年数によって昇給が期待できる月給制とは異なり、個人の能力や成果によって増減が決定されるため、月給と比較して良しあしを判断できないでしょう。
 
それぞれのメリットやデメリットのほか、固定残業代制度の有無や年俸のうちいくらが残業代か、ボーナスの支払い方法、欠勤控除など、就業規則・賃金規定・契約書などを確認することも大切です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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