「大手企業」に転職する知人が「給料が上がる!」と言っていました。中小企業との年収はどのくらい変わるのでしょうか?
配信日: 2025.06.09

本記事では、大企業と中小企業の年収の違いや差が生まれる理由、年収以外の違いを解説します。大企業と中小企業の年収の差が気になる方は、参考にしてください。

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目次
大企業と中小企業で年収はどのくらい違う?
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」によれば、大企業と中企業、小企業の平均賃金は以下の通りでした。ここでは、従業員数が1000人以上を大企業、100~999人を中企業、10~99人を小企業としています。
・大企業:36万4500円
・中企業:32万3100円
・小企業:29万9300円
大企業と中企業では4万1400円、大企業と小企業では6万5200円の差があることが分かります。年間で換算すると、大企業と中企業では49万6800円、大企業と小企業では78万2400円の差が生まれます。
ただし、この金額には残業代や賞与は含まれていません。そのため、それらを含めると差額が変動する可能性があります。
大企業と中小企業で年収に差が生まれるのはなぜ?
大企業と中小企業で年収に差が生まれる理由として、2つの要因が考えられます。
まず1つ目は生産性の違いです。大企業は中小企業に比べて資金に余裕があり、最新の設備やシステムを導入しやすいため、仕事の効率が高くなりやすいです。さらに、大企業の方が研修や教育制度が整っているケースが多く、社員がスキルアップし効率的に仕事を進めやすくなるため、結果的に会社の利益が増えるのも関係していると考えられます。
2つ目は働く人材の違いです。一般的に大企業は採用時の競争率が高く、学歴やスキル、経験のある人材が集まりやすい傾向があります。そのため、社員一人ひとりの能力も平均して高くなり、企業全体としての成果が上がりやすくなります。これが結果的に、給料の差にもつながるとされているようです。
このように、給料の差は企業の規模だけではなく、その背景にあるさまざまな事情が関係しているといえるでしょう。
年収以外の大企業と中小企業の違い
大企業と中小企業では、給料以外にもキャリアパスや福利厚生にも違いがあるとされています。
一般的にキャリアパスの仕組みが整っているのは、大企業の方が多い傾向です。入社後すぐにしっかりとした研修を受けられるような制度がある会社もあります。
一方で中小企業の場合は、キャリアの流れがはっきり決まっていなかったり、昇給の仕組みがあいまいだったりするケースも少なくないようです。その反面、いろいろな仕事を経験できたり、自分のアイデアが通りやすかったりする場合もあります。
また、福利厚生にも差があるケースが考えられます。大企業は福利厚生が手厚く、社宅が用意されていたり、育児や介護の支援制度が充実していたりと、安心して長く働ける環境が整っている場合が多い傾向にあります。
ただし最近では、中小企業も福利厚生を工夫するところが増えてきました。企業によっては、大企業に負けないくらい働きやすい環境を用意しているところもあるようです。
大企業と中小企業では年収に50万円~80万円近い差が生まれる可能性がある
大企業と中小企業では、年収に数十万円以上の差が生まれる場合があるようです。差が生まれるのは、生産性を高める仕組みづくりや採用される人材の違いが関係していると考えられます。
しかし、違いは年収だけではありません。キャリアパスや福利厚生など、働く環境や制度面でもさまざまな特徴があります。
「どちらが正解」ということはなく、大切なのは自分の価値観やライフスタイルに合った職場を選ぶことです。年収だけでなく、自分にとっての働きやすさや将来のビジョンも含めて、じっくりと選んでいきましょう。
出典
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況 結果の概要 1 一般労働者の賃金 (4) 企業規模別にみた賃金 第4表 企業規模、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び企業規模間賃金格差(9ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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