新卒1年目、夏のボーナスの代わりに「寸志」が支給されるそうです。「寸志」って大体いくらですか?10万円くらいあるとうれしいのですが…
本記事では、新卒1年目に支給される「寸志」の実態や、寸志とボーナスの違い、支給額の相場について解説します。
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目次
「寸志」と「ボーナス」はどう違う?新卒1年目の賞与のしくみ
新卒1年目の夏の賞与が「寸志」として支給されることには、明確な理由があります。まずは、この二つの言葉の定義と、新卒の夏の賞与が「寸志」となる背景を理解することが重要です。
寸志とは?「心ばかりの贈り物」としての位置づけ
「寸志」とは、「ほんの少しの気持ち」「心ばかりの贈り物」という意味合いで使われる金銭や品物のことです。主に目上の人が相手へのお礼や感謝の気持ちを表す際に用いられます 。
企業においては、ボーナス支給規定を満たさない従業員(例:パート・アルバイト、派遣社員、またはボーナス算定期間を十分に満たしていない新入社員)に対して、感謝の気持ちを込めて支給されることがあります。
ボーナス(賞与)の定義と支給条件
一方、「ボーナス」は「賞与」や「一時金」とも呼ばれ、毎月の給与とは別に、企業の業績や個人の評価に基づいて定期的に支給されるものです 。一般的には「給料の1~2ヶ月分」といった形で支給額が定められ、数十万円規模になるのが一般的です 。
なぜ新卒1年目の夏は「寸志」が多い?
新卒1年目の夏のボーナスが「寸志」となるのは、夏のボーナスの算定期間が、新入社員の入社前から始まっているからです。例えば、多くの企業では夏のボーナスの算定期間が前年の10月~3月などと設定されており、4月入社の新入社員は、この期間にほとんど会社に在籍しておらず、貢献度を評価する実績がないとみなされるためです 。
そのため、企業は新入社員に対し、正式なボーナスではなく「心ばかりの感謝」として「寸志」を支給するケースが多いようです。
新卒の「寸志」やボーナスの支給額は?
人事労務分野の情報機関である産労総合研究所の「2024年度 決定初任給調査」によると、新入社員に「何らかの夏季賞与を支給する」企業は77.5%でした。その中でも、最も多い支給方法は「一定額(寸志等)を支給」で、全体の65.7%を占めています 。
学歴別の夏季賞与・一時金の平均支給額は、大学卒で「9万4112円」、高校卒で「7万5076円」となっています。支給額の分布では、「5万~10万円未満」が最も多く、大学卒43.0%、高校卒46.3%の割合を占めていました。
ただし、企業規模や業績、個社の規定によって変動するため、あくまで平均値や相場として捉えることが重要でしょう。
「寸志10万円」という期待は十分に現実的だが、平均よりはやや高め
新卒1年目の夏の「寸志」は、金額こそボーナスに及ばないかもしれませんが、企業からの「期待」と「感謝」の気持ちが込められた大切なものです。
平均的には数万円から10万円未満が相場であり、「10万円」という希望金額は十分現実的ですが、一般的にはそこから税金や社会保険料が引かれるため、手取りは減る可能性はあります。
それでも社会人としての第一歩をしっかり評価された証として、大きな励みになるでしょう。
出典
産労総合研究所 2024年度 決定初任給調査
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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