年収600万円も夢じゃない!? 「公立高校」の「教員」で「年収」が高い都道府県TOP10を紹介! 給与が高い地域は勤続年数にも違いがある
本記事では、文部科学省が公表しているデータを基に、公立高校教員の「平均給料月額」が高い都道府県TOP10を紹介します。年収の試算とあわせて、地域による傾向やその背景についても解説します。
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公立高校教員の年収が高い都道府県TOP10
令和4年度の「学校教員統計調査」の数値に基づき、平均給料月額が高い都道府県を抽出しました。ここでは、賞与として年間4.5ヶ月分を含めた平均給料月額の16.5ヶ月分として推定年収を算出しています。その結果よりTOP10は表1の通りです。
表1
| 順位 | 都道府県 | 平均給料月額 | 推定年収 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 新潟県 | 38万8400円 | 640万8600円 |
| 2位 | 福島県 | 38万5700円 | 636万4050円 |
| 3位 | 秋田県 | 38万2800円 | 631万6200円 |
| 4位 | 高知県 | 37万4500円 | 617万9250円 |
| 5位 | 沖縄県 | 37万3700円 | 616万6050円 |
| 6位 | 北海道 | 37万2500円 | 614万6250円 |
| 7位 | 鳥取県 | 37万2200円 | 614万1300円 |
| 8位 | 鹿児島県 | 36万9200円 | 609万1800円 |
| 9位 | 岩手県 | 36万8700円 | 608万3550円 |
| 10位 | 愛媛県 | 36万8700円 | 608万3550円 |
※e-Stat 政府統計の総合窓口「学校教員統計調査 / 令和4年度 第1部 高等学校以下の学校及び専修学校,各種学校の部 教員個人調査 高等学校」を基に筆者作成
なお、岩手県と愛媛県は同順位ですが、今回は五十音順としてまとめました。
年収で見ると1位と10位において、32万5050円の差があります。これは月収にして約2万7000円の違いであり、年間では家計や生活水準にも少なからず影響を与える差といえるでしょう。
なぜ都道府県で給与に差が出るのか?
公立学校教員は「地方公務員」であるため、給与は各都道府県や政令指定都市が独自に定める給料表にしたがって支給されます。人事院勧告に沿って基準は示されるものの、自治体の財政状況や地域特性に応じて柔軟に設計されるため、地域間で差が生じるのは当然ともいえます。
給与のおもな構成は「給料月額」と「各種手当」です。このうち、都道府県における年収の差に大きく影響するものが「地域手当」です。これは物価や民間賃金の水準に基づいて定められ、高い自治体では月給の20%が上乗せされるケースもあります。
加えて、北海道や東北地方などでは寒冷地手当、離島などではへき地手当が支給されることもあり、こうした手当が給与全体を押し上げる要因となっています。
年収の高い地域に共通する特徴とは?
今回のランキング結果では、東北や日本海側の県が多くランクインしていました。新潟・福島・秋田・岩手などは、都市部に比べて生活コストがおさえられる地域であるのに対し、公立高校の教員としての給料水準が全国でも高いことに特徴があるといえるでしょう。
同調査では、東北や日本海側の県における教員の平均勤務年数は都市部と比べても比較的高く、年収1位の新潟県では25.0年、2位の福島県と3位の秋田県は22.4年でした。一方で、平均年収下位3府県は都市部で、45位の大阪府は16.7年、46位の千葉県は18.9年、47位の神奈川県は17.1年と、いずれも20年以下です。
上位の都道府県では、昇給が進んでいることや、寒冷地手当などの地域特性に基づく手当の影響があることも関係しているのかもしれません。また、年収の高い地域の方が勤務年数も長い傾向にあることが分かります。
公立高校教員の年収が高いのは「寒冷地」「日本海側」に集中
公立高校教員の年収は、所属する都道府県によって大きく異なります。今回のランキングからは、東北や日本海側など寒冷地が高年収傾向にあることが分かりました。
このように、教員の収入は制度的な要因や地域の特性に強く左右されるものです。今後教職を志す方や、転職・異動を検討する現職の教員にとって、勤務地の選択は重要なキャリア戦略の1つとなるでしょう。
出典
e-Stat 政府統計の総合窓口 学校教員統計調査 / 令和4年度 第1部 高等学校以下の学校及び専修学校,各種学校の部 教員個人調査 高等学校
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
