「退職代行」会社の「年収」はどのくらい?「500万円」はいく?入社した人の「4人に1人」が離職するって本当?
配信日: 2025.07.05

一方で、退職代行サービスを提供する会社で働く社員はどれくらいの年収を得ているのか、社員の定着率は高いのか低いのかという疑問を抱く人も少なくないでしょう。
本記事では、退職代行会社の社員の年収事情や定着率についてまとめました。

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退職代行会社の年収はどれくらい?
退職代行サービスを提供する会社で働く社員の年収は、企業の規模、役職、業務内容によって大きく変動すると考えられます。
また、退職代行会社の中には、成約件数や顧客満足度に応じてインセンティブ(報奨金)が支給される給与体系を導入している企業もあるようです。そのため、インセンティブの有無によって年収は変わってくるでしょう。
業界全体の標準となる給与体系は不明ですが、求人情報などからおおよその年収を推測してみました。
顧客からの最初の相談窓口となり、退職手続きの実行を担う一般社員の年収は、350万円〜450万円程度が目安となっているようです。
例えば、ある会社の求人情報によれば、入社1年目の21歳社員で年収350万円、入社2年目の26歳課長で年収550万円といったモデルケースが示されています。
月給23万~25万円前後からスタートし、経験やスキルに応じて昇給していくケースが多いようです。労務に関する知識のある人や電話応対が得意な人など、高いコミュニケーション能力を持つ人材は優遇される傾向にあるとみられます。
また、管理職クラスになると、前述の会社では入社3年目の36歳部長クラスで年収900万円という実績が挙げられていました。
ただし、全ての退職代行会社が、同様の給与水準を保障しているとはいえないため、上記の内容は参考として捉えてください。
なお、国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」によると、20~24歳の平均年収は267万円、25~29歳が394万円となっています。
これまでの内容を踏まえると、退職代行サービス会社の平均的な年収は、一般的な企業と比較しても遜色のない水準、もしくはそれ以上といえるかもしれません。
退職代行会社の社員の定着率は?
現時点では、退職代行業界全体の正確な離職率や定着率に関する公式なデータは存在しないようです。しかし、業界が黎明(れいめい)期にあることを踏まえると、人の入れ替わりは一定数あると推測されます。ある企業の例では、全体の25%程度(アルバイトを含む)が退職するとのことです。
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、常用労働者全体の離職率は15.4%でした。この数字と比較すると、退職代行会社の離職率は高めといえるかもしれません。
退職代行サービスでの仕事は、精神的に負担を伴う面があるようです。依頼者の会社に退職の意思を伝えた際、企業側から強い抵抗や感情的な反発を受けることも少なくないでしょう。
ときには、依頼者に代わって厳しい言葉を受け止めなければならない場面もあると考えられることから、ストレスが積み重なって離職する社員がいても不思議ではないといえます。
このような理由から、退職代行の企業には、社員のメンタルヘルスケアのサポート体制を整えたり、一人当たりの負担を軽減したりといった取り組みを進めていくことが期待されます。
今後、業界が成熟していく中で、労働環境が整備されれば、社員の定着率も安定していくかもしれません。
退職代行会社の年収は、平均と比べると高めの傾向があり、定着率は平均よりも低めとみられる
退職代行サービス会社の年収は、平均と比較して高い水準にあるといえます。特に、成果次第で高収入を目指せるインセンティブ制度は、意欲の高い人材にとって魅力といえるでしょう。
会社を辞めたい人をサポートするという貢献度の高さや、成長業界での経験により、やりがいのある職場環境が形成されている一方で、社員の定着率に関しては、精神的な負担の大きさが課題となる可能性があります。
今後も市場の拡大が予想される退職代行業界がどのように発展し、働く人々のキャリアを支えていくのか、注目していく必要があるといえるでしょう。
出典
厚生労働省 -令和5年雇用動向調査結果の概況-
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー