今年はボーナスが「50万→100万円」に! 手取りも“2倍”に増える? それとも減る? それぞれから「引かれる金額」をシミュレーション
配信日: 2025.07.04

では、賞与が2倍になれば、手取り額も2倍に増えるのでしょうか。本記事では賞与額の決まり方や、賞与が2倍になったときの手取り額の増え方などを解説します。

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ボーナスの金額はどのように決まる?
ボーナス(賞与)とは、毎月の給与とは別に企業が従業員に支給する「一時金」のことです。企業によっては特別手当や期末手当などと呼ばれています。
ボーナスの金額は毎年固定ではなく、支給の有無や金額、支給時期などは会社が自由に決定できます。
企業の業績が良かった場合に目標達成に尽力した従業員に対して評価や感謝を伝える目的があるため、業績や評価次第では昨年よりも高額のボーナスを受け取れる可能性もあります。
ボーナスが2倍に増えると、手取りも2倍になる?
もし転職や業績アップなど何らかの理由で前回よりも大幅に支給額が増えた場合、手取りはどのくらい増えるのでしょうか?
ボーナスが50万円から100万円に増えたときの手取り額を知るには、天引きされる税金や社会保険料の内容について理解を深めておくことをおすすめします。
ボーナスから天引きされるお金には何がある?
ボーナスは支給額の全てを受け取れるわけではないことは、多くの人が知っているでしょう。
ボーナスも毎月の給与と同じく、所得税や厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料、雇用保険料が差し引かれ、残った金額が手取りとして労働者が受け取れます。
これら税金や社会保険料などが天引きされる比率が変わることで、手取り額が変化する可能性もあります。なお、通常の給与と違って、賞与では「住民税(市県民税)」は天引きされません。
ボーナスが50万円から100万円に増えた場合の手取りの違い
ここからは、ボーナスが50万円から100万円になったあとの、手取り金額の違いを解説します。
前提条件は「東京都在住、30歳、独身、扶養親族なし」「協会けんぽに加入」「ボーナス支給月の前月給与は30万円」とします。
まず、健康保険料率は40歳未満なら健康保険料のみで9.91%(労使折半)、介護保険の負担はありません。賞与額が50万円なら健康保険料は2万4775円、100万円なら4万9550円です。
続いて厚生年金保険料は、標準賞与額×18.3%(労使折半)で計算できます。賞与額が50万円では4万5750円、賞与額が100万円では9万1500円です。
雇用保険料は、賞与総支給額×0.55%で計算します。賞与額が50万円では2750円、賞与額が100万円では5500円です。
最後の所得税は、賞与支給額から健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料を差し引いた金額に所得税率をかけた金額です。所得税の計算方法は通常の給与とは異なり、国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に前月給与から社会保険料を控除した金額と、扶養親族の人数を当てはめると算出できます。
前月の給与が30万円の場合、健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料の合計は「1万4865円+2万7450円+1650円=4万3965円」です。
30万円から4万3965円を引いた25万6035円を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和7年分)」に当てはめると、賞与の所得税率は6.126%となります。
つまり、賞与額50万円の所得税は2万6141円、100万円では5万2282円です。
最終的に残る手取りは賞与額50万円では40万584円、賞与額100万円では80万1168円となりました。
まとめ
今回の試算では社会保険料と所得税の税金が変わらず手取り金額もきっちり2倍となりました。あくまでも試算であり、実際には扶養親族や前月給与などの違いから同じ計算結果にならない可能性もあります。
ボーナスが増額されたら、前回までと手取り額がどのくらい違うのか、計算してみると良いでしょう。
出典
協会けんぽ 令和7年度保険料額表(令和7年3月分から)
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和7年度版)
厚生労働省 令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内
国税庁 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和7年分)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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