世帯年収が「2000万円」ある場合、手取り額はどのくらいになる? 一人が稼いでいるケースだと、税金はどのくらいかかる?
配信日: 2025.07.04

しかし、最近では共働き世帯も増えていることもあり、都市部の居住地域や業種・職種などによっては世帯年収が2000万円を超える家庭も珍しくないかもしれません。
本記事では、世帯年収が2000万円ある場合、手取り額はいくらになるのか、そして一人で稼いだ場合の税金負担について解説します。

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世帯年収2000万円の場合の手取り額はどのくらい?
手取り額を計算する際は、以下の計算式を用いて算出します。
額面給与-(所得税等+住民税+社会保険料)=手取り金額
国税庁や日本年金機構、全国健康保険協会などの公式サイトに基づいて試算すると、年収2000万円の年間の手取り額は、およそ1300万円です。
概算でも、所得税や住民税でおよそ450~500万円、社会保険料でおよそ150~180万円差し引かれます。つまり、年収2000万円の手取り額は65%程度となるケースが多いです。
一人が2000万円を稼ぐ場合、税金の負担は?
今回は、年収2000万円の東京都勤務の40歳、協会けんぽに加入しているケースをもとに、大まかな税金負担を考えます。
具体的にかかる税金や社会保険の費用は、次の通りです。
所得税:約345万円(各種控除(基礎控除48万円、社会保険料控除など)を差し引いた課税所得に対し、超過累進税率(最高45%)で計算)
住民税:約150万円(課税所得に対して一律10%+均等割)
健康保険:約38万9000円(標準報酬月額:65万円×保険料率9.98%×12ヶ月×折半負担1/2)
厚生年金:約71万円(標準報酬月額:65万円×保険料率18.3%×12ヶ月×折半負担1/2)
雇用保険:約12万円(年収2000万円×保険料率0.6%=約12万円)
介護保険:約6万2000円(標準報酬月額65万円×保険料率1.59%×12ヶ月×折半負担1/2)
居住エリアや加入する健康保険の種類によっても税額は異なりますが、手元に残る金額は1200万円程度です。
手取り額を増やすための節税対策
少しでも手取り額を増やすためには、節税対策を取り入れることが大切です。ここでは、筆者おすすめの2つの節税対策について紹介します。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用
iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金制度であり、自分で積み立てた年金資産を運用しながら老後に備える制度です。積み立てた資産は、60歳以降に受け取ることができます。
iDeCoの最大のメリットは、毎月積み立てる掛金が全額所得控除の対象となる点です。これにより、住民税や所得税の負担が軽減されます。
ただし、iDeCoは60歳まで引き出せないことを踏まえたうえで、無理のない範囲で運用することが大切です。
ふるさと納税の活用
ふるさと納税は、自治体への寄附を通じて税金の控除が受けられる制度です。自己負担額は2000円のみで寄附金控除が受けられるのが特徴で、各地域の特産品・返礼品が受け取れます。
ふるさと納税をすると翌年に所得税や住民税が控除されますが、寄附金から2000円を差し引いた金額が控除される仕組みであるため、厳密にいうと節税や税金対策とはいえません。
ただし、ふるさと納税には控除上限額があり、年収や家族構成、他の控除の状況によってこの上限は異なります。控除上限額の範囲内であれば自己負担額2000円で返礼品を受け取れるため、ふるさと納税をしないよりもお得になるケースが多いですが、上限を超えて寄附した場合は自己負担が増えるため注意が必要です。
控除上限額は総所得金額や家族構成などに基づいて算出されますが、年収2000万円の高所得層の場合、年間で50万円程度の控除上限額が目安となります。
少しでも手元に残すお金を増やすために対策を考えよう
年収2000万円の世帯でも、適切な節税対策を取り入れることで、年間数十万円単位の手取り増加が期待できます。iDeCoやふるさと納税などを上手に活用しながら節税をして、少しでも手元に残すお金を増やすように努めましょう。
出典
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
全国健康保険協会 協会けんぽ 令和6年度保険料額表(令和6年3月分から)
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに? iDeCo(イデコ)の特徴
総務省 ふるさと納税ポータルサイト よくわかる! ふるさと納税
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修 : 高橋庸夫
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