40歳で転職して年収”750万円”から”1000万円”に増えたのに、思ったより手取りが増えませんでした…。税金や社会保険料の影響でしょうか?

配信日: 2025.07.06

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40歳で転職して年収”750万円”から”1000万円”に増えたのに、思ったより手取りが増えませんでした…。税金や社会保険料の影響でしょうか?
転職して年収が大幅に増えるのは、キャリアアップの証しでもあり、多くの人が目指す成功の一つです。しかし、750万円から1000万円に年収が増えたのに、「思ったほど手取りが増えない」と感じる方は意外に多いものです。原因は、税金や社会保険料の負担が年収とともに増えることにあります。
 
本記事では、年収増加と手取りの関係、税・社会保険料の内訳、さらに手取りを増やすための対策までを解説していきます。
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年収が上がっても手取りが増えにくい理由

一見すると、年収が250万円増えると手取りもそれに比例して増えるように思えますが、実際にはそうはいきません。なぜなら、所得税・住民税・社会保険料などの控除が収入の増加に応じて増えるからです。
 
例えば、年収750万円の人の手取りは560万円程度とされます。一方、年収1000万円の手取りは700~780万円程度です。年収は約250万円増えていますが、手取りは約140~220万円しか増えていません。つまり、残りの約30~110万円は税金や社会保険料で差し引かれているのです。
 
このように、年収が一定のラインを超えると、税負担が急に大きくなるケースもあるため、期待したほど自由に使えるお金が増えないという感覚につながります。
 

税金・社会保険料の内訳

年収が増えると、当然ながら税金や社会保険料も増加します。本章では、手取りに大きく影響を与えるこれらの内訳について、具体的に見ていきましょう。
 

所得税・住民税

日本の所得税は、「超過累進課税制度」を採用しています。これは、所得が増えるほど高い税率が適用される制度です。例えば、課税所得が695万円を超えると税率が23%に、900万円を超えると33%に上がります。
 
加えて、住民税は一律で10%が課されます。つまり、課税所得が900万円を超える部分には、課税所得が900万円を超える部分には、所得税と住民税を合わせて43%の税率が適用される%近い税率が適用されるため、手取りの増加を抑える要因になります。
 

社会保険料

社会保険料には、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などがあります。これらは給与の金額に比例して増えます。特に厚生年金保険料は高く、令和7年度の東京都の場合は労使折半で18.3%、本人負担は9.15%です。
 
年収1000万円の場合、年間の社会保険料は120~135万円程度が目安とされており、750万円時代と比べると大幅に増加します。これも、手取りが増えにくい一因といえます。
 

手取りを増やすための対策

年収が上がったのに手取りが増えにくいと感じた場合、その差を埋める手段として「節税」が重要なポイントになります。特に年収が1000万円を超えると、活用できる控除や制度によって家計への影響が大きく変わってきます。
 
本章では、税金を抑えて可処分所得を少しでも増やすための具体的な方法を紹介します。
 
1. iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用
iDeCoは、掛金が全額所得控除の対象となるため、課税所得を減らして所得税と住民税を軽減できます。将来の年金資産を形成しつつ、今の税負担を軽くできるのが魅力です。
 
2. ふるさと納税の利用
ふるさと納税は、実質2000円の自己負担で地方自治体に寄付ができ、所得税・住民税の控除が受けられる制度です。寄付額に応じた返礼品も受け取れるため、実質的な節税と生活費の節約の両方が可能です。
 
3. 保険料控除の活用
生命保険や地震保険などに加入していれば、一定の金額まで所得控除を受けられます。保険を見直しつつ、節税効果のあるプランを選ぶことも一つの方法です。
 
4. 住宅ローン控除
持ち家をローンで購入している場合、住宅ローン控除を活用することで、年末のローン残高に応じた所得税の控除を受けられます。
 

賢く備えて手取りを最大化しよう

年収が増えても、税金や社会保険料の負担が増すため、手取りの増加は意外と小さくなりがちです。特に年収1000万円以上になると、さまざまな控除や税率の上昇により、自由に使えるお金が増えたという実感を得にくくなるのが実情です。
 
しかし、iDeCoやふるさと納税、保険料控除、住宅ローン控除など、節税策をうまく活用すれば、可処分所得を増やすことは十分可能です。収入アップを機に、税金や社会保険の仕組みを理解し、より効率的な家計管理と資産形成に取り組んでみましょう。
 

出典

国税庁 No.2260 所得税の税率
総務省 個人住民税
全国健康保険協会(協会けんぽ) 令和7年度保険料額表(令和7年3月分から)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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