新卒で夏のボーナスが出る会社って少ないですか? 友人は「給与1ヶ月分」出たらしく、うらやましいです…。
配信日: 2025.07.06

ボーナスの支給有無や支給額、支給方法は、企業によってさまざまです。そこで今回は、新卒社員における夏のボーナスの支給実態と平均額や支給方法など、知っておきたいポイントを紹介します。

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新卒でも夏のボーナスはもらえる?
株式会社産労総合研究所が実施した「2024年度 決定初任給調査」によると、新入社員の夏季ボーナスの支給状況は「何らかの夏季賞与を支給する」が77.5%、「支給しない」が12.2%でした。大半の企業において、新卒社員にも夏のボーナスは支給されるようです。
また「何らかの夏季賞与を支給する」企業のうち、夏季ボーナスの支給方法については「一定額(寸志等)を支給」が65.7%、次いで「在籍期間の日割計算で支給」が18.2%、「日割以外の一定割合で支給」が10.5%という結果となっています。
新卒社員に対する支給状況が、企業によって異なる理由については、4月入社からまだ2ヶ月ほどしか経っていない状況では、評価や査定期間が基準に満たないことがあげられます。
そのため、新卒社員への夏のボーナスの支給を見送る企業も一定数存在し、支給する場合でも金額は控えめになるケースが多いようです。
ボーナスってそもそも何?
ボーナスは、労働基準法などの法律で明確に定義されたものではなく、あくまでも会社が任意で支給するものです。
そのため、入社1年目の新卒社員に対して夏のボーナスを支給するかどうかは、会社の就業規則や給与規定などによって異なります。
また、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」では、ボーナスは「特別給与」と定義されており、夏季・冬季の賞与と期末手当など、一時金として支給する給与が該当します。なお、賞与が支給される時期については、夏は6~7月頃、冬は12月頃が一般的です。
給与1ヶ月分は多い? 平均支給額との比較
前述の株式会社産労総合研究所「2024年度 決定初任給調査」によると、新入社員の夏のボーナスの平均支給額は、大学卒で9万4112円、高校卒で7万5076円でした。
同調査による初任給の平均は、大学卒が22万5457円、高校卒が18万8168円です。これをもとに給与の何ヶ月分になるかを計算すると、大学卒で約0.42ヶ月分、高校卒で約0.4ヶ月分に相当します。
したがって、今回の事例における友人の夏のボーナスが「給与1ヶ月分」であれば、平均と比べて高い水準といえるでしょう。
業界別のボーナス平均額
新卒1年目では、夏のボーナスが少額にとどまるか、あるいは支給されないケースもあるようです。しかし、勤続年数が増すと支給額も増えていく傾向にあります。ここからは、業界別の平均額を詳しくみていきましょう。
厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等」によると、夏のボーナスの平均額は、調査産業計で41万4515円です。業界別でもっとも高いのは「電気・ガス業」88万1533円、次いで「情報通信業」73万9621円、「金融業、保険業」で70万3753円です。
一方、夏のボーナスがもっとも少ないのは、「飲食サービス業等」で7万5897円という結果となっています。また、企業規模によっても支給額が異なり、一般的に大企業では高く、中小企業では控えめな傾向があります。
そのため、希望する業界の支給状況や傾向を知っておくことで、将来の見通しが立てやすくなり、自分に合った進路が選びやすくなるでしょう。
新卒の夏のボーナス事情を事前に知って備えよう
新卒の夏のボーナスは、企業方針や査定時期などによって、支給の有無や支給額が分かれます。
さらに、勤務先や業界、業種や職種によっても差が出るため、平均額や支給方法などを事前にしっかり把握しておくと安心です。また、勤続年数が増えることで支給額が変わる場合もあるため、内容をしっかり確認しておきましょう。
出典
株式会社産労総合研究所 2024年度 決定初任給調査
厚生労働省 毎月勤労統計調査について II 用語の定義
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等 統計表 <<特別集計>>令和6年夏季賞与(一人平均)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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