友人が私立の中学校で「教員」をしています。「月に40万近くはもらえるよ」と話していましたが「私立と公立」では「年収」に違いはあるのでしょうか?
今回は、中学校教員の年収について解説します。
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目次
私立と公立、中学校教員の年収の違い
文部科学省の「学校教員統計調査 令和4年度」によると、私立中学校教員は37万2000円、公立中学校教員の平均月給は33万2000円です。
私立中学校教員の賞与は学校によって異なるようですが、月給の3~4ヶ月分が一般的とされます。先の平均月収に当てはめると、賞与は111万6000〜148万8000円程度になるでしょう。
一方、公立中学校教員は地方公務員のため、賞与(期末手当・勤勉手当)は国家公務員に準じることが多くなっています。人事院の「給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント」によると、賞与は月給の4.4ヶ月分です。これを基にすれば、公立中学校教員の賞与は146万800円となります。
上記の結果を踏まえ、「月給×12ヶ月+賞与」を年収とすると、私立中学校教員と公立中学校教員の平均年収は次の通りです。
●私立中学校教員:558万~595万2000円
●公立中学校教員:544万4800円
したがって、私立中学校教員の方が、公立中学校教員よりも平均年収が13万5200~50万7200円高いことになるでしょう。
年収は役職によっても変わる
中学校教員の給与は、担当する役職によって大きく異なります。それぞれの月給をまとめると、表1の通りです。
表1
| 役職名 | 平均月給 |
|---|---|
| 校長 | 44万5900円 |
| 副校長 | 43万5800円 |
| 教頭 | 42万8100円 |
| 主幹教諭 | 40万2600円 |
| 指導教諭 | 41万3000円 |
※e-Stat 政府統計の総合窓口「学校教員統計調査 / 令和4年度 第1部 高等学校以下の学校及び専修学校,各種学校の部 教員個人調査 中学校」を基に筆者作成
役職が上がるほど、管理業務の比重が増えるとともに責任の範囲も広がるため、報酬にも差が出ると考えられます。
中学校教員の業務内容
中学校教員は、国語・社会・数学・理科・英語などの教科のうち、いずれか1つを専門として授業を行い、道徳や総合学習、学級活動などにもかかわります。それに加えて、クラス担任として日々の生活指導を行うこともあるようです。
また、部活動の指導や学校行事の運営、保護者との連携が必要となるPTA活動なども、ほかの教職員と協力しながら担当します。
学校には、全体を統括する校長や副校長(教頭)のほか、学年主任や教務主任、生徒指導主事など、各分野をまとめる役職が置かれています。特別支援学級のある学校では、専任の担当者が配置されることもあるようです。一部の教科では講師が授業を受け持つこともあります。
私立中学校教員の平均年収は560~600万円ほどと考えられ、公立中学校教員を15~55万円ほど上回る可能性がある
私立中学校教員の平均年収は560~600万円ほど、公立中学校教員の平均年収は545万円ほどと考えられます。したがって、私立中学校で教員として働く場合、公立と比べて高い年収を得ている可能性があるでしょう。
この違いには、基本給だけでなく、手当や校務分担など勤務条件も影響していると考えられます。今後、教職員の給与の実態を考えるうえで、こうした実情を把握することは大切です。
出典
e-Stat 政府統計の総合窓口 学校教員統計調査 / 令和4年度 第1部 高等学校以下の学校及び専修学校,各種学校の部 教員個人調査 中学校
人事院 給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
