娘の彼氏は「国家公務員」らしいのですが、給与は一般企業と変わらないそうです。高収入のイメージがあるのですが、そうではないんですか?

配信日: 2025.08.18 更新日: 2025.10.21
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娘の彼氏は「国家公務員」らしいのですが、給与は一般企業と変わらないそうです。高収入のイメージがあるのですが、そうではないんですか?
「国家公務員」と聞くと、安定していて高収入というイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。しかし、実際に働いている人から「民間企業とあまり変わらない」と聞くと、少し意外に感じるかもしれません。
 
そこで本記事では、人事院が公表している国家公務員の給与データと、国税庁が発表している民間企業の給与データを基に、国家公務員の収入は本当に「高収入」といえるのかを解説していきます。
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国家公務員の平均給与はどれくらい?

人事院が公表した「令和5年国家公務員給与等実態調査報告書」によると、国家公務員全俸給表の平均給与月額(俸給に各種手当を含む)は約41万2700円です。対象は一般行政職員を中心とした職員約25万人で、平均年齢は42歳ほどです。
 
また、一般的な行政事務系職種などが該当する行政職俸給表(一)の平均給与月額は40万4000円程度とされています。
 
一方で、国家公務員の給与は年齢や役職、勤続年数などによって大きく変わります。例えば、新卒で採用されたばかりの職員の初任給は民間企業とほぼ同水準かやや高め程度です。しかし、年齢が上がるにつれて昇給していくため、安定的に収入が伸びやすい仕組みになっているとされています。この点が、長期的に見た公務員の大きな魅力といえるでしょう。
 

民間企業の平均給与と比較すると?

では、民間企業と比べるとどうでしょうか。国税庁が発表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収は約460万円でした。これを12ヶ月で割ると、月収は約38万3000円に相当します。
 
この数字と前述の国家公務員の平均給与を比べると、国家公務員のほうが月あたり約3万円高いことが分かります。つまり「民間とまったく変わらない」というよりは、「やや高め」であるのが実情です。
 
ただし、民間企業の給与は業種や企業規模などによって大きな差があります。大企業で働く人と比べれば、国家公務員の給与は必ずしも高いとは限りません。逆に中小企業や地方の企業と比べれば、国家公務員の給与は安定しており、高収入という印象になるかもしれません。
 

「高収入」ではなく「安定して平均より少し上」が実態

「国家公務員=高収入」というイメージが生まれる背景には、いくつかの理由が考えられます。まず、公務員は給与水準が急激に下がることはなく、景気の影響も比較的受けにくいという安定性があります。
 
さらに、ボーナスも年2回支給される上、福利厚生が整っていることから、総合的に見た生活の安心感が大きいのです。
 
また、人事院は毎年、民間企業の給与実態を調査し、それを基に国家公務員の給与水準を調整、勧告や報告を出しています。令和5年の勧告では、初任給を大卒で1万1000円、高卒で1万2000円引き上げるなど、若手層の処遇改善が図られています。これにより、若手の給与水準は民間との差が縮まりつつあります。
 
つまり、公務員は「誰もが憧れる高収入」というよりも、「安定していて平均より少し上の水準」が現実的な姿といえるでしょう。
 

まとめ:国家公務員の給与は安心感のある水準

データで見てきたように、国家公務員の給与は民間の平均と比べてやや高めであり、特に大きな差があるわけではありません。高収入というよりも、安定した収入と将来にわたる安心感が特徴です。
 
今回の事例で、お嬢さまの彼氏さんが「民間とあまり変わらない」と話したのは、初任給や若手の給与を念頭に置いての発言かもしれません。ただし、勤続年数が長くなるほど安定して昇給が見込める点を考えると、結婚や将来の生活を考える上では大きな安心材料になるでしょう。
 
国家公務員の給与は「派手に高収入」ではありませんが、「着実に生活を支えてくれる堅実な収入源」であることは間違いないでしょう。もし給与水準が気になる場合は、短期的な金額だけでなく、長期的な安定性という観点からも評価してみることをおすすめします。
 

出典

人事院給与局 令和5年国家公務員給与等実態調査報告書 職員数、平均年齢、平均経験年数及び平均給与月額(2ページ)
人事院 令和5年 人事院勧告・報告の概要(2ページ)
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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