同じ年収でも「ボーナスの有無」で手取りは変わる?「年収450万円」で計算してみた
今回は、ボーナスの有無で年収の手取りがどう変わるのかを、計算方法の違いや例を用いて解説していきます。
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
ボーナスの有無で変わること
ボーナスの有無により、手取り額が少し変動する可能性があります。まずは、計算方法の違いを確認していきましょう。
社会保険料
まず、ボーナスの有無で変わる可能性があるのは、社会保険料です。社会保険料のうち、月収から引かれる健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料は、標準報酬月額を基に決定されます。
標準報酬月額は、毎月の税金が引かれる前の給料を一定金額ごとに区分した報酬月額に当てはめて決まる金額です。前述の各保険料は、「標準報酬月額×保険料率」で、企業と折半して支払います。
ボーナスにも社会保険料は発生し、計算方法は「標準賞与額×保険料率」を企業と折半した金額です。
標準賞与額は、年3回以内(ひと月につき最大150万円)で受け取った税金が引かれる前のボーナス総額で1000円未満を切り捨てた金額)になります。雇用保険料は、月収もボーナスも収入に雇用者負担分をかけた金額です。
税金
所得税は、月収からもボーナスからも源泉徴収されます。源泉徴収は、算出率の表を用いて計算され、月収の分は社会保険料等控除後の収入を基に決められた源泉徴収税額表の金額です。一方、ボーナスの所得税の源泉徴収税額は以下の手順で計算します。
(1)前の月の月収から社会保険料等を控除する
(2)(1)の金額をボーナス用の算出率の表で確認し、税率が決まる
(3)ボーナスから社会保険料を控除した金額に(2)の税率をかける(1円未満切り捨て)
住民税は前年の所得に基づいて計算され、給与支払者である会社が納税義務者である従業員に代わって、毎月従業員に支払う給与の中から住民税を徴収して代わりに納付する制度であるため、賞与からは住民税は天引きされません。
また、毎年同じ年収だった場合、ボーナスの有無で社会保険料控除額が変わるため、住民税額は多少変動する可能性があります。
手取りはいくら変わる?
今回は、年収450万円の場合、ボーナスの有無で手取りがいくら変わるか比較してみましょう。条件は以下の通りです。
・ボーナスありの月収は30万円、ボーナスは年2回で1回45万円、合計90万円
・ボーナスなしは月収37万5000円
・東京都江東区在住で全国健康保険協会に加入
・40代男性単身世帯
・扶養者なし
・社会保険料は前年と本年度で同額
・控除は社会保険料控除、給与所得控除、基礎控除のみ
・各保険料率などは令和6年度のものを使用
・ボーナス額と標準賞与額は同じ
・報酬月額と月収は同じ
・どちらの場合も給料とボーナス額は毎年一定
・年収の手取り額は「月収の源泉徴収後の金額×12ヶ月+ボーナスの源泉徴収後の金額」とする
条件を基にすると、各金額の違いは表1の通りです。
※筆者作成
表1の結果を基にすると、年収の手取りに大きな差はないと考えられるでしょう。なお、端数処理や条件などによっては、実際の金額は変動する可能性があります。また、所得税は年末調整が行われます。
ボーナスの有無で手取りに大きな差はない可能性がある
ボーナスからも社会保険料や所得税が引かれるため、総額でみるとボーナスありの方が手取りは少なくなる可能性があります。しかし、同じ年収だった場合、大きな差にはならないでしょう。
実際、今回のケースだと、同じ年収の場合、ボーナスありとなしの手取りの差は2382円です。同じ年収であれば、ボーナスの有無による手取りの差はあまり気にしなくていいといえるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修 : 高橋庸夫
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