娘が保育士を目指していますが「給料が低いから」と進路を迷っています。年収が上がったと聞いたことがあるのですが、いくらくらいなのでしょうか?
しかし、近年は処遇改善が進み、保育士の年収は上昇傾向にあります。そのため、実際にはいくらくらいもらえるのか確認しておくといいでしょう。
本記事では、保育士の平均年収や勤続年数による年収の違いをご紹介するとともに、年収を上げるためのポイントもまとめています。
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目次
保育士の平均年収
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均年収は396万9000円です。この金額は「きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額で算出しています。「きまって支給する現金給与額」とは手取り額でなく、所得税や社会保険料などを控除する前の額です。
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によれば、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は460万円であり、保育士の年収は全体の平均に近い水準といえるでしょう。
保育士の年収はどのくらい上がっているのか?
国による処遇改善により、保育士の年収は上昇傾向にあります。
実際にどのくらい年収が上がっているのか、5年前と比較してみましょう。
「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均年収は男女計で357万9300円、男性が382万7300円、女性が356万3900円となっています。令和5年と比較した結果は、表1の通りです。
表1
| 平成30年 | 令和5年 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 男女計 | 357万9300円 | 396万9000円 | +38万9700円 |
| 男性 | 382万7300円 | 448万5200円 | +65万7900円 |
| 女性 | 356万3900円 | 393万2300円 | +36万8400円 |
※筆者作成
男女計の年収は、5年間で38万円以上アップしています。
今回の事例は「娘が保育士を目指している」ということなので女性に着目すると、36万円以上のアップとなっています。男性に比べると増加額は少なくなっていますが、ここ数年で保育士の年収は上昇傾向にあるといえるでしょう。
保育士として年収を上げるためのポイント
保育士として勤め始めてから年収を上げるには、キャリアアップ研修を受ける方法がおすすめです。研修分野には、乳児保育や幼児教育、障害児保育、保健衛生・安全対策、食育・アレルギーなどさまざまなものがあります。研修を修了して保育園内でリーダー職に就くと、月々の給与がアップする可能性があります。
また、仕事に関連する資格を取得して手当を受けるのも有効です。特に、英語教育に力を入れている保育園では、英検やTOEICなどの資格を持っていると優遇されやすくなります。
さらに、現在の勤務先の保育園で年収を上げることが難しい、場合には、公立園や都市部など、より年収の高い保育園への転職を検討するのも一つの方法です。
保育士の年収はここ5年程度で40万円近くアップしている|女性保育士の平均年収は約390万円
保育士の年収は低いイメージがあるかもしれませんが、平成30年の357万9300円から令和5年の396万9000円へと40万円近くアップしています。
女性保育士の平均年収は約390万円で、こちらも5年前から35万円以上アップしています。
保育士として働き始めてからでもキャリアアップ研修を受けてリーダー職に就いたり、資格を取得して手当を得たりすることで、年収アップを目指せる可能性があるでしょう。
出典
厚生労働省
令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1
平成30年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査
厚生労働省 保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ(1ページ)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
