ボーナスが給与化されると手取りはどう変わる?税金や保険料を考えると、むしろ損するって本当?

配信日: 2025.10.10 更新日: 2025.10.21
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ボーナスが給与化されると手取りはどう変わる?税金や保険料を考えると、むしろ損するって本当?
「ボーナスを給与に組み込む」という制度変更を聞いたことはありますか?
 
企業によっては、賞与を廃止してその分を月給に上乗せする「給与化」を導入するケースがあります。このとき、多くの人が気になるのが、「手取りが増えるのか? 減るのか?」という点です。40万円のボーナスが毎月の給与に組み込まれたら、税金や社会保険料の負担が変わるのでしょうか?
 
本記事では、「ボーナスを給与に組み込む」制度の仕組みと実際の手取りへの影響について解説します。
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ボーナスと給与、制度上の違いとは?

まず、「ボーナス(賞与)」と「給与」は、見た目は似ていても制度上の取り扱いが異なります。
 
給与は毎月の基本的な報酬として支払われ、これをもとに社会保険料や税金が計算されます。毎月の給与額は「標準報酬月額」という区分に当てはめられ、それによって健康保険料や厚生年金などが決まります。
 
一方、ボーナスは一般的に、年に1~2回支給される特別な報酬です。ボーナスに対しても社会保険料や税金はかかりますが、計算方法は給与とは異なり、年3回以下のボーナスに限って「標準賞与額」をもとに社会保険料が算出されます。
 
税金や社会保険料の計算方法に違いがあるため、同じ金額であっても、「給与」として受け取るか「ボーナス」として受け取るかで、手取り額にわずかな差が生じる可能性があります。
 

給与化による影響はごくわずか

仮に、年に一度支給されていた40万円のボーナスを、12ヶ月に分けて毎月の給与に上乗せしたとします。そうすると、月々の給与は約3万3000円増えます。
 
こうした給与化により、以下のような影響が考えられます。
 

・毎月の社会保険料が微増する

月給が増えることで「標準報酬月額」の等級が上がる場合があります。等級が上がれば、健康保険や厚生年金の保険料も上昇します。
 

・毎月引かれる源泉徴収税(所得税)が高くなる

月給が増えることで、源泉徴収の税率がやや高くなる可能性があります。ただし、所得税は年間の収入をもとに計算されるため、年末調整で過不足が精算されます。
 
このように、給与化によって毎月の社会保険料や所得税が少しずつ増える可能性はあります。しかし、最終的な年収が同じであれば、年間の手取りに大きな差が出ることは基本的にありません。
 

実際に手取りは増えるの? 比較してみよう

では、実際に40万円のボーナスを一括でもらった場合と、12ヶ月に分けて給与に組み込んだ場合とで、どれくらい手取りに差が出るのでしょうか?
 
以下は簡易的な比較です。(※控除率は一例であり、実際とは異なる可能性があります)
 

【ボーナスとして支給】

・支給額:40万円
・控除(税金・保険料):7万円(17.5%想定)
・手取り:33万円

 

【給与に組み込む場合】

・月あたり増額:3万3000円
・年間増加:3万3000円 × 12 = 39万6000円
・控除(増加分の税金・保険料):7万9200円(20%想定)
・手取り:31万6800円

 
この例では、給与化すると手取りが年間で約1万3200円減るという結果になります。
 
ただし、これは単純なモデルケースであり、年齢、扶養の有無、給与水準、保険料率などによって結果は変わります。条件によっては、給与化したほうが手取りが多くなるケースも考えられます。
 

まとめ:基本的には大きな差はないが、確認は必要

40万円のボーナスを給与化した場合、制度上は社会保険料や源泉徴収の仕組みによってわずかな差が出る可能性があります。ただし、年収が変わらない限り、基本的に年間の手取りに大きな影響は出ません。
 
給与化によって、毎月の収入が安定すれば家計管理がしやすくなりますし、ローン審査などで有利になることもあります。月々の保険料は増えるかもしれませんが、年間で見れば支払総額は大きく変わらないケースがほとんどです。
 
制度変更が行われる場合には、その内容をしっかり確認し、社会保険料や税金の仕組みを理解したうえで、今後の生活にどのような影響があるのかを把握しておくことが大切です。
 

出典

日本年金機構 厚生年金保険の保険料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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