友人の息子さんが、難関の司法試験を突破して「弁護士」に。「これで一生安泰」と友人は言っていますが、年収はどれくらいなのでしょうか?

配信日: 2025.10.27
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友人の息子さんが、難関の司法試験を突破して「弁護士」に。「これで一生安泰」と友人は言っていますが、年収はどれくらいなのでしょうか?
「弁護士は高収入」というイメージを持つ人は少なくないでしょう。
 
弁護士は国家資格を要する職業であり、取得には高度な専門知識と難易度の高い試験の突破が求められます。そのため就業自体が難しく、実際に給与所得者全体の平均と比較して高収入です。今回のケースにおいても、弁護士になった家族を持つ人が、将来へ期待を寄せています。
 
では具体的に弁護士はどれほどの収入を期待できるのか、本記事では平均年収などをご紹介します。
 
なお本記事では、日本弁護士連合会「弁護士白書」の掲載データ(2023年度版)に合わせ、賃金構造基本統計調査および民間給与実態統計調査は令和4年(2022年)分の結果を引用しています。
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弁護士(法務従事者)の平均年収は「約971万円」

令和4年度の「賃金構造基本統計調査」によると、弁護士(法務従事者=弁理士・司法書士等ほかの法務系職種も含む)の収入は表1の通りです。
 
表1

平均収入
きまって支給する現金給与額(1年間) 678万6000円
年間賞与その他特別給与額 292万7900円
合計 971万3900円

出典:総務省統計局「賃金構造基本統計調査(令和4年度)」を基に筆者作成
 
全体平均では、法務従事者の年収は約971万円です。1000万円に近い額であり、一般的に高収入といえるでしょう。
 
参考として、国税庁の民間給与実態統計調査(令和4年分)によると、給与所得者全体の平均給与(年額)は458万円でした。比較すると、法務従事者の年収の半分未満になります。
 

年齢や経験によって収入は異なる

日本弁護士連合会の「弁護士白書」によると、2022年における弁護士の収入状況では、年齢や経験による収入差が確認されています。
 
各年齢帯における収入のボリュームゾーンは次の通りです。
 

・20歳代:500万円以上750万円未満
・30歳代:1000万円以上1500万円未満
・40歳代:2000万円以上3000万円未満
・50歳代:2000万円以上3000万円未満
・60歳代:2000万円以上3000万円未満および3000万円以上5000万円未満
・70歳代以上:2000万円以上3000万円未満

 
また、司法修習期から経験年数を推定した収入(中央値)は、次の通りです。
 

・5年未満:550万円
・5年以上10年未満:1027万円
・10年以上15年未満:1800万円
・15年以上20年未満:2100万円
・20年以上25年未満:2950万円
・25年以上30年未満:2680万円
・30年以上35年未満:2200万円
・35年以上:1300万円

 
30年未満にかけては、経験年数が長いほど収入の中央値が高くなっています。それ以降は中央値が下がりますが、10年未満と比較すると高いです。
 
このように同じ弁護士でも、状況によって収入は変わるようです。
 

企業規模による収入差もある

前述の令和4年度「賃金構造基本統計調査」によると、企業に勤めている法務従事者の場合、企業規模によっても収入に差があるようです。企業規模を3つのカテゴリーに分けた場合、それぞれの平均収入は表2の通りです。
 
表2

企業規模 平均収入
1000人以上 808万600円
100~999人 1068万4800円
10~99人 917万7800円

出典:総務省統計局「賃金構造基本統計調査(令和4年度)」を基に筆者作成
 
企業規模1000人以上と100~999人では、260万円ほどの差が出ました。企業規模が大きいほど収入が高いとは限らないようです。
 

弁護士(法務従事者)の平均年収は約1000万円だが、年齢などによって異なる

弁護士を含む法務従事者の平均年収は、賃金構造基本統計調査によると約971万円です。ただし年齢や経験年数、企業に勤める場合は企業規模などによって年収に大きな差が出ます。
 
今回のケースで、弁護士の息子さんを持つ親御さんは「一生安泰」と感じているようですが、実際にどれほどの年収を得られるかは分かりません。少なくとも経験年数が短いうちは、1000万円など一般に高収入とされている年収に届かない可能性もあるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査 概要
日本弁護士連合会 弁護士白書 2023年版 第2編 弁護士の活動状況 2-4 弁護士実勢調査に基づく近年の弁護士の実情 146、147ページ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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