年収350万円の中小企業と年収420万円の大企業から内定をもらいました。20代のうちに高年収を実現したいのですが、昇進スピードを考えるとどっちにすべきか迷います。

配信日: 2026.01.17
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年収350万円の中小企業と年収420万円の大企業から内定をもらいました。20代のうちに高年収を実現したいのですが、昇進スピードを考えるとどっちにすべきか迷います。
20代のうちに高収入を実現するために中小企業と大企業のどちらが有利であるかを検討するにあたり、まず、一般的にいわれている「中小企業と大企業の格差」を整理します。そのうえで、高収入取得のための戦略を考えてみます。
堀江佳久

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

中小企業と大企業の格差

一般的に、中小企業と大企業では、賃金面や福利厚生、そして退職金制度などさまざまな面で格差(大企業優位)があるといわれています。
 
厚生労働省が発表した「令和6年賃金構造基本統計調査」では、全体として労働者の賃金の伸び率は大企業が中小企業を上回りました。昨今のインフレや人手不足を受けた賃上げが進んでいますが、企業規模による賃上げ格差という課題も浮上しているようです。
 
そこで本章では、その賃金の格差について詳しく解説します。企業規模、性、年齢別の賃金を図表1にまとめてみました。特に、20代~30代前半の数字が分かるようにしています。
 
この結果を見ると、中小企業の賃金(年齢計)は大企業対比、男性では88.2%、女性では91.5%となっており、女性よりも男性の格差が大きいことが分かります(ただし、男性のほうが女性よりも絶対額が高くなっています)。
 
また、20代前半で見ると、男性94.0%・女性91.7%、20代後半では男性91.3%・女性90.3%となっています。男性20代および女性20代前半は年齢計と比べると格差が小さい一方、女性20代後半は年齢計より格差がやや大きくなっています。
 
図表1:企業規模、性、年齢別賃金格差

年齢 大企業※1 中企業※2
賃金 賃金 賃金格差
(大企業=100)
年齢計 40万3400円 35万5600円 88.2%
20~24歳 24万4900円 23万100円 94.0%
25~29歳 29万1800円 26万6500円 91.3%
30~34歳 34万3700円 30万3100円 88.2%
年齢計 29万6600円 27万1300円 91.5%
20~24歳 24万4600円 22万4400円 91.7%
25~29歳 27万6300円 24万9600円 90.3%
30~34歳 29万5200円 26万3600円 89.3%

※1:従業員数1000人以上、※2:従業員数100~999人
(厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より抜粋)
 

高収入取得のための戦略

ここまで、大企業と中小企業での賃金格差を定量的に見てきました。上記でも言及しましたが、昨今では、企業規模により賃上げ格差という課題も生じてきています。
 
したがって、年収350万円の中小企業と年収420万円の大企業から内定をもらっているならば、今後の賃上げ率から見ても、20代の賃金は大企業のほうが優位にあるといえます。ただし、大企業に就職した場合には、20代で役職に就ける可能性は高くないため、希望する高収入に届かない可能性があります。
 
一方、中小企業で早い段階で役職に就くことも努力次第では可能と思われますが、全体の賃金水準を考えると、期待した高収入を得られるとはかぎりません。
 
そういったなかで、20代のうちに年収を爆発的に上げたい場合には、以下の戦略が考えられます。
 

1. 一度大企業に就職し、大企業のブランドとキャリアを生かして自身の市場価値を上げて転職する
 
2. 一度大企業でビジネスの基本を学び、キャリアを積んで、起業する
 
3. そもそも内定している中小企業が、数年以内に上場を狙っている企業で「超高速で成長しているスタートアップ」であれば、膨大なインセンティブ(歩合)やストックオプション(自社株購入権)により、高収入が得られる可能性がある

 

まとめ

20代のうちに高収入を実現するためには、大企業に入社したほうが確実性は高いでしょう。
 
ただし、大企業では、ある程度の年齢にならないと役職に就くことは難しいことが一般的なので、さらなる年収アップを狙うのであれば、大企業でのキャリアを生かして転職したり、起業したりすることも選択肢の一つかもしれません。また、スタートアップ企業で、大金を夢見てがんばる方法もあります。
 
最終的には、ご自身の人生ですので、ご自身のやりたいことや夢などもしっかり踏まえ、時には先輩やキャリアコンサルタントなどの専門家を活用しながら、悔いが残らないような選択をするとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査概況
 
執筆者 : 堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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