40歳で「手取り40万円」「貯金2000万円」は、日本の“上位何パーセント”ですか? SNSでは「30代で資産1億円」など見かけますが“平均・中央値”はどのくらいですか? データをもとに確認
本記事では、平均年収や金融資産のデータをもとに、40歳で「手取り40万円・貯金2000万円」がどの程度の位置なのかを整理しながら、SNSとの向き合い方についても解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
目次
40歳で手取り40万円は多い?
まずは収入面から見てみましょう。国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、40~44歳の給与所得者の平均年収は約516万円です。
単純計算すると、賞与込みで月収ベースでは約43万円程度となります。ただし、ここから税金や社会保険料が差し引かれるため、実際の「手取り」はもっと少なくなります。
例えば、40歳で扶養親族が3人いる場合、月収が43万円でも、月の手取りはおおむね35万円程度となります。つまり、手取り40万円という水準は、平均と比較するとやや高めと考えられます。
40歳で貯金2000万円はどれくらい?
次に、貯蓄額を見てみましょう。ここでは、預貯金だけでなく株式や投資信託なども含む「金融資産」として比較します。金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、40代・二人以上世帯の金融資産保有額は次のようになっています。
・平均値:約1486万円
・中央値:約500万円
平均値は、一部の高額資産保有者によって押し上げられやすい特徴がありますが、中央値は「真ん中の人」の水準であり、実態に近い数字とされています。
つまり、40代で金融資産2000万円というのは、中央値500万円を大きく上回っており、全体で見ても多い部類と考えられるでしょう。実際、同調査では金融資産2000万円以上を保有している二人以上世帯は40代では約2割程度となっています。
SNSでは「億り人」が多く見える理由
それではなぜ、SNSを見ると「2000万円程度では全然足りない」と感じてしまうのでしょうか。理由の1つは、「目立つ情報ほど拡散されやすい」ためです。
例えば、「資産300万円です」という投稿よりも、「30代で資産1億円達成!」という投稿のほうが注目されることも多く、その分多く表示されやすくなります。また、SNSでは本当の資産額かどうか分からないケースもあります。実際には含み益を強調していたり、一時的な資産増加だけを切り取っていたりすることもあるでしょう。
さらに、投資系SNSでは成功体験が中心になりやすく、大きく損をしたケースはあまり表に出てこない傾向があります。そのため、SNSだけを見ていると、「周りはみんなお金持ち」と錯覚しやすくなるのです。
年収や貯蓄には地域差もある
また、年収や貯蓄額は住んでいる地域によっても大きく変わります。例えば、都市部では年収が高い傾向がありますが、その分、家賃や教育費も高くなりやすい特徴があります。一方、地方では収入はやや低めでも、住宅費は都心部よりは抑えやすいでしょう。
つまり、「年収が高い=必ず豊か」とは限りません。さらに、同じ年収でも、
・子どもの人数
・住宅ローンの有無
・共働きかどうか
・親の介護負担
などによって、家計状況は大きく変わります。単純にSNSの年収・貯蓄の数字だけで比較するのは、あまり意味がない部分もあるでしょう。
本当に大切なのは「将来も安定しているか」
もちろん、資産形成を頑張ること自体は大切です。ただし、重要なのは他人より多いかではなく、自分の人生に必要なお金を準備できているかです。
年収が高くなくても、例えば、生活防衛資金が十分にあり、老後資金・教育費の備えをこつこつと行っている状態であれば、十分に安定した家計と考えることもできます。一方で、年収が高くても支出が大きければ、将来不安は残るかもしれません。
大切なのは、SNS上のすごい人と比較し続けることではなく、自分自身の家計を安定させることです。
まとめ
40歳で「手取り40万円・貯金2000万円」という水準は、統計データで見ると比較的高い部類に入ると考えられます。特に、金融資産2000万円は40代では上位20%前後の水準とみられ、決して少ない金額ではありません。
一方で、SNSでは一部の「億り人」や成功例が目立ちやすく、実態以上に周囲がお金持ちに見えてしまうこともあります。重要なのは、他人と比べ続けることではなく、自分自身の生活や将来設計に合った資産形成ができているかです。数字に振り回されすぎず、自分に合ったペースで家計管理を続けていくことが大切といえるでしょう。
出典
国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査
金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査2025年
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
