同じ“年収500万円”でも「月収25万円・ボーナス200万円」は「月収35万円・ボーナス80万円」より得? 上司は「ボーナス200万円が得」と言うけど、実は会社都合の話!? 会社員の注意点とは
上司に相談した際、「月収が低いほうが得だ」と言われることがあります。しかし、その言葉は本当に労働者にあてはまるのでしょうか。本記事では、基本給を低めに設定し、ボーナスを厚くする給与体系の特徴と、労働者にとってのメリット・デメリットについて解説します。
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「月収が低いほうが得」とは限らない
結論からいえば、「月収が低いほうが得」なのはあくまで会社側の都合であり、労働者にとっては損になるケースがほとんどです。
会社が基本給を低く抑え、ボーナスの割合を高くする理由の1つは、人件費を調整しやすくするためです。基本給は一度引き上げると簡単には下げられませんが、ボーナスは会社の業績などに応じて支給額を調整しやすい特徴があります。
一方、労働者にとっては、基本給が低いことは残業代や各種手当の金額に影響する場合があります。また、業績悪化時にはボーナスが減額または支給されない可能性もあるため、収入が不安定になりやすい点には注意が必要です。
基本給が低いと残業代も低くなりやすい
労働者側への影響が分かりやすいのが、残業代(時間外割増賃金)の計算です。
残業代は、基本給をはじめとする一定の賃金をもとに1時間あたりの賃金を算出し、法律で定められた割増率を掛けて計算されます。一方、ボーナスは通常、この計算の基礎には含まれません。
例えば、月の所定労働時間を160時間(1日8時間、月20日勤務)とすると、月収25万円の場合の1時間当たりの残業単価は、「25万円÷160時間×1.25=約1953円」となります。
一方、同じ年収500万円でも、月収35万円・ボーナス80万円という給与体系であれば、「35万円÷160時間×1.25=約2734円」です。両者の差は、1時間あたり約781円です。毎月20時間の残業をした場合、「781円×20時間=約1万5620円」となり、年間では約19万円の差になります。
なお、実際の残業代は、基本給だけでなく各種手当の取り扱いが残業手当に含まれるかどうかによって異なるため、上記はあくまで単純化したシミュレーションです。
将来もらえる「退職金」が少なくなる
さらに、長期的な視点で見落とせないのが、退職金への影響です。多くの企業では、退職金の支給額を「退職時の基本給×勤続年数に応じた支給率」という計算式で算出しています。
そのため、いくらボーナス込みの年収が高くても、ベースとなる基本給が低く抑えられている給与体系で長く働くと、将来退職する際、想定よりも退職金の額面が大幅に低くなってしまう隠れたリスクが生じるのです。
業績次第でボーナス年200万円が「ゼロ」になるリスク
もう1つ見落とされがちなポイントが、ボーナスの不確実性です。
基本給を、会社が一方的に引き下げることは容易ではありません。一方、ボーナスは、就業規則や労働契約で「会社の業績などを勘案して支給する」と定められているケースが多く、業績によって減額や不支給となる場合があります。
年間200万円のボーナスが大幅に減額されたり、支給されなかったりすれば、年収は大きく減少します。年収に占めるボーナスの割合が高い場合は、住宅ローンのボーナス払いなど、家計への影響が大きくなる可能性もあるため注意が必要です。
給与体系は年収だけでなく中身も確認しよう
年収が同じ500万円であっても、「基本給が高くボーナスが少ない給与体系」と「基本給が低くボーナスが多い給与体系」では、毎月の生活の安定性や残業代、さらには将来の退職金の額面にまで大きな違いが生じることがあります。また、ボーナス中心の給与体系には、会社の業績に応じてボーナスが調整されやすい特徴があります。
そのため、給与を比較するときは、年収額だけで判断するのではなく、基本給とボーナスの割合、残業代や退職金への影響、ボーナスが減額された場合のリスクなども確認することが大切です。給与体系全体を理解した上で、自分に合った働きかたや将来の生活設計を考えるようにしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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