年収「550万円」の夫が管理職へ昇進することに。基本給は月「3万円」増える一方、残業代「月6万円」がなくなるそうです。昇進したのに年収が下がることはあるのでしょうか?
本記事では、昇進後に年収が下がるケースを具体例で解説するとともに、管理職と残業代の関係や、昇進時に確認しておきたいポイントについて分かりやすく紹介します。
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管理職への昇進で年収が下がることはある?
「昇進すれば給料は上がる」と考える人は少なくありません。しかし、管理職への昇進では、基本給が増えても残業代が支給されなくなることで、結果として年収が下がるケースがあります。
例えば、年収550万円の人が管理職に昇進し、基本給が毎月3万円増えた一方で、これまで毎月6万円支給されていた残業代がなくなったとします。
この場合、年間で増える基本給は36万円です。一方、残業代は年間72万円減るため、差し引き36万円の減少となります。賞与が基本給の増加に連動して上がる場合もありますが、その増額分を考慮しても、年収が昇進前を下回ることもあります。
そのため、昇進の打診を受けた際は、「基本給がいくら上がるか」だけではなく、「残業代がどう変わるか」「賞与や役職手当は増えるのか」といった点まで確認することが大切でしょう。
管理職になると残業代が支払われなくなるケースがある理由
管理職になれば必ず残業代が支払われなくなるわけではありません。
労働基準法では、「管理監督者」に該当する人は、労働時間や休憩、休日に関する規定の適用外となるため、時間外労働や休日労働に対する割増賃金が支払われない場合があります。
ただし、深夜労働の割増賃金は原則として支払われます。ここで注意したいのは、「管理職」と「管理監督者」は同じ意味ではないということです。東京労働局の資料では、肩書だけで管理監督者と判断されるわけではないと説明されています。
管理監督者に該当するかどうかは、経営者と一体的な立場で重要な職務や権限を担っているか、出退勤の時間を自分で決められるなど勤務時間について大きな裁量があるか、その地位に見合った十分な待遇を受けているかといった点を総合的に判断します。つまり、「課長」や「店長」という肩書だけで管理監督者とみなされるわけではありません。
そのため、会社から管理職になったことを理由に残業代が支払われなくなっても、実際の仕事内容や働き方によっては管理監督者に該当せず、残業代を請求できる可能性があります。
管理職は年収だけでなく将来の待遇も確認することが大切
管理職への昇進は、目先の年収だけで判断するものではありません。
役職が上がることで、基本給や賞与の算定基準が見直されたり、役職手当が支給されたりする企業もあります。また、昇進後の実績が評価されれば、さらに上位の役職へ昇格しやすくなるなど、長期的な収入アップにつながる可能性もあります。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者のうち雇用期間の定めのない人の役職別の平均賃金は、男女計で部長級が63万5800円、課長級が52万9200円、係長級が39万9200円となっています。役職が上がるほど平均賃金も高くなる傾向がみられます。
ただし、これらは全国平均であり、企業規模や業種、会社ごとの賃金制度によって実際の金額は大きく異なります。昇進直後は一時的に年収が下がっても、その後の昇給や賞与の増額によって、長期的には収入が増えるケースもあるでしょう。
一方で、責任や業務量だけが増え、待遇の改善がほとんど見込めない場合は、昇進のメリットとデメリットを慎重に比較することも大切です。
まとめ
管理職への昇進では、基本給が上がっても残業代がなくなることで、年収が下がるケースは十分に考えられます。今回のように基本給が月3万円増え、残業代が月6万円なくなる場合は、賞与の増額などがなければ年間収入は減少する可能性があります。
また、会社で管理職と呼ばれていても、労働基準法上の「管理監督者」に該当するかどうかは、肩書ではなく仕事内容や権限、勤務時間の裁量、待遇などを総合的に判断して決まります。
昇進を検討する際は、基本給だけを見るのではなく、残業代や役職手当、賞与、将来の昇給見込みまで含めて確認することが重要です。短期的な年収だけで判断せず、長期的なキャリアや働き方も踏まえて検討することで、自分にとって納得できる選択につながるでしょう。
出典
厚生労働省東京労働局 しっかりマスター 労働基準法 -管理監督者編-
厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況 結果の概要 一般労働者(8)役職別にみた賃金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
