帰省した息子が、初任給「27万円」、ボーナス「30万円」と自慢していました。30年前の親世代はどうだったか聞かれたのですが、平均はどのくらいだったのでしょうか?
例えば30年前の初任給やボーナスの平均はいくらだったのか、今との差はどのくらいあったのか、気になる人もいるかもしれません。
本記事では、初任給やボーナスの支給額を30年前と比較するとともに、額面が上がっても手取りが思ったほど増えない理由や、親世代と子世代で異なる負担についてもご紹介します。
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目次
帰省中のひと言「初任給27万円って、昔より高いの?」
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、新規学卒者の学歴別にみた賃金は表1の通りです。
表1
| 男女計 | 男 | 女 | |
|---|---|---|---|
| 高校 | 20万7300円 | 21万100円 | 20万2900円 |
| 専門学校 | 23万700円 | 22万7800円 | 23万2400円 |
| 高専・短大 | 23万5500円 | 24万1400円 | 23万円 |
| 大学 | 26万2300円 | 26万4900円 | 25万9700円 |
| 大学院 | 29万9000円 | 30万1200円 | 29万2900円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
今回のケースを「大学卒業」と考えると、初任給27万円は平均と大きく変わりません。
ただし、表1の賃金は、新規学卒者に6月分として支払われた所定内給与額(通勤手当を含む)の平均値です。残業代は含まれないため、単純な月収や手取りとは異なる点もあります。
一方、同調査の「企業規模別新規学卒者の初任給の推移」によると、1996年(平成8年)における大学卒業者の初任給の平均は、男性が19万3200円、女性が18万3600円でした。現在より7万円以上低かったことが分かります。
なお、1996年の初任給は、6月分の所定内給与額から通勤手当を除いた金額です。現在とは集計方法が異なるため、厳密な比較ではない点に注意が必要です。
ボーナス30万円は多い? 新卒1年目と全体平均は比べにくい
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、2025年の夏季賞与の支給事業所における労働者一人平均賞与額は42万6337円、年末賞与は42万4889円でした。
一方、国税庁の「民間給与実態統計調査結果報告」では、30年前の1996年の平均賞与は89万6000円となっています。異なる調査ではありますが、毎月勤労統計調査による2025年の夏季賞与と年末賞与をあわせた85万1226円より4万円以上高いことが分かります。
ただし、毎月勤労統計調査の金額は新入社員のみを対象とした平均ではないため、今回のケースと直接比較することはできないでしょう。
物価、社会保障負担……親世代と子世代で違う負担
30年前に比べて現在の初任給の平均が7万円以上高くなっていますが、額面が上がっても、手取りが思ったほど増えていない可能性があります。親世代に比べて物価が上昇し、社会保障負担の割合も高くなっているためです。
日本の物価はここ数年で急激に上昇しており、30年前と比べるとその差はさらに大きくなっています。総務省統計局が公表している「2020年基準消費者物価指数」では、1995年の「魚介類」の品目別価格指数は76.2であったのに対し、2025年は131.4でした。
また、厚生労働省の資料によると、国民所得に対する社会保障負担の割合は、1990年度の10.6%に対し、2026年度は17.6%になる見通しです。
このことから、現在は初任給の額面が増えていても、物価や社会保障負担の上昇により、額面の差ほど生活の余裕を実感できない可能性があるでしょう。
30年前の初任給の平均は18万~19万円台、ボーナスの平均は年間で89万円台
厚生労働省や国税庁の調査によると、30年前の初任給の平均は18万~19万円台、ボーナスの平均は年間で89万円台ということです。
初任給27万円は現在の平均と大きく変わらないため、30年前より7万円以上多くもらっている可能性があります。ボーナスについては新入社員のみを対象とした平均ではないため、今回のケースとは直接比較できません。
ただし、30年前と現在では物価や社会保障負担の状況も異なるため、額面の増加分がそのまま生活の余裕につながるとは限りません。一概に「今のほうが恵まれている」とはいえない部分もあるでしょう。
出典
厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況 (10) 新規学卒者の学歴別にみた賃金
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 賃金構造基本統計調査 時系列(~令和元年まで) 新規学卒者の初任給の推移 表番号1 企業規模別新規学卒者の初任給の推移<昭和51年~令和元年>
厚生労働省 毎月勤労統計調査 2025(令和7)年9月分結果速報等 ≪特別集計≫2025(令和7)年夏季賞与(一人平均)表2 2025(令和7)年夏季賞与の支給状況(14ページ)
厚生労働省 毎月勤労統計調査 2026(令和8)年2月分結果速報等 ≪特別集計≫2025(令和7)年年末賞与(一人平均)表2 2025(令和7)年年末賞与の支給状況(14ページ)
国税庁 平成8年分 税務統計から見た民間給与の実態-国税庁民間給与実態統計調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 平均給与の内訳(14ページ)
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 2020年基準消費者物価指数 品目別価格指数(1970年~最新年)
厚生労働省 社会保障制度について 給付と負担について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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