夫は国家公務員で、ボーナスは毎年「180万円」ほど。民間企業で働く私とは年収がほぼ同じですが、それでも国家公務員の夫のほうが“実質的に得”なのでしょうか?
今回のケースでは、国家公務員の夫と民間企業に勤める妻がそれぞれボーナスを受け取っていますが、年収全体が同じくらいのようです。
しかし年収の内訳を見ると、夫の方がボーナスの額が多いのか、妻は「年収は同じでも夫の方が待遇面で有利なのでは」と感じているのかもしれません。
本記事では、国家公務員のボーナスの決まり方や、給与体系について見ていきます。
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国家公務員のボーナスはどう決まる?
国家公務員のボーナスは「期末手当」「勤勉手当」と呼ばれます。期末手当は生活費の補てんを目的に、勤勉手当は勤務成績に対する報償を目的に支給されるものです。
国家公務員は一般的な労働者とは異なり、国民生活への影響が大きい職務に就いているため、労働基本権が制約されています。例えば、給与アップを目指してストライキをすることはできません。
その代わり、「人事院の勧告」という仕組みが適用されます。人事院は、国家公務員の勤務の対価として適正な給与を支給されるよう、常勤の民間企業従業員の給与水準と常勤の国家公務員の給与水準が均衡するよう働きかけます。
具体的には、毎年の公務と民間の給与を調べ、適正な給与水準を導き出し、国会や内閣にそれを伝えることです。
給与勧告を受けた内閣は関係する事項を決定し法案を国会に提出します。その後国会で給与法の改正が行われる仕組みです。
給与勧告の対象になる公務員は、一般職の国家公務員です。
なおボーナスについては、人事院は民間における直近1年間(前年8月から当年7月まで)のボーナス支給実績を調査して「年間支給割合」を求め、これに国家公務員の特別給(期末・勤勉手当)の年間支給月数を合わせることを基本に勧告を行っています。
年収が同じでも国家公務員の方が得?
今回のケースで登場する夫婦は、年収が同じくらいであり、収入そのものの差はありません。
しかし、妻はボーナス額に注目しており、国家公務員である夫の給与体系の方が実質的に恵まれていると感じているようです。もしかしたら、夫の月々の給与は自分の給与よりも低いのに、国家公務員には一定額のボーナスが支給されることから、待遇面でメリットが大きいと考えているのかもしれません。
結論からいうと、民間企業の社員と国家公務員の年収が同程度の場合、どちらの待遇がより有利かを一概に判断することはできません。そもそも妻のボーナス額や月々の給与が分からないため、単純に比較できるだけの条件がそろっていないからです。
ただし、人事院が民間給与を調査する仕組みを踏まえると、調査対象となる企業の構成などによって、ボーナスの水準に一定の影響が生じる可能性はあります。令和8年時点、人事院は「企業規模100人以上、かつ事業所規模50人以上の約5万400事業所から抽出された、約1万100事業所の従業員」を対象に調査しています。
例えば、調査対象となる企業の中で比較的ボーナスの支給水準が高い企業の割合が大きければ、その結果が調査全体の水準に反映され、国家公務員のボーナスにも一定の影響を与える可能性が考えられます。
給与以外に比較したいポイント
月々の給与には、基本給のほかに諸手当が含まれています。手当には、残業や深夜労働、休日労働など法律で定められた手当もありますが、会社が独自に定められる法定外手当もあります。通勤手当や扶養手当などがそうです。
民間企業の場合、法定外手当をもらえるかどうかは会社により異なります。一方国家公務員の場合、条件に合えば扶養手当や通勤手当、住居手当などを受け取れるため、安定性があるといえるでしょう。
また民間企業では退職金をもらえない事業所もある一方、国家公務員は、懲戒免職による退職といった例外を除き、原則として退職手当が支給されます。
このように総合的な観点で比較すると、同じ年収でも公務員の方が待遇が厚いように思えるかもしれません。
国家公務員と民間企業の社員は同じ年収でもどちらが「得」とは一概にいえない
年収が同程度の国家公務員と民間企業の社員を比較しても、どちらが実質的に得なのかを一概に判断することは難しいでしょう。そもそも給与やボーナス、各種手当、福利厚生など、何を基準に「得」と考えるかによって評価は異なるためです
とはいえ、基本給に加えて支給される各種手当や、国家公務員のボーナスを決める際に参考とされる民間企業の給与水準などを踏まえると、条件によっては国家公務員の待遇にメリットを感じるケースもあるかもしれません。
出典
人事院 職員団体制度の概要
人事院 給与勧告の仕組み
人事院 国家公務員の給与 人事院勧告の手順(3ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
