「冬のボーナス150万円だった」とマウントをとる義兄。しかし“社会保険料と税金”でごっそり引かれ、実際の手取り額は「ボーナス80万円」の夫とほぼ同じ!? 高収入ほど損をする税金の仕組みを解説!

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「冬のボーナス150万円だった」とマウントをとる義兄。しかし“社会保険料と税金”でごっそり引かれ、実際の手取り額は「ボーナス80万円」の夫とほぼ同じ!? 高収入ほど損をする税金の仕組みを解説!
「高収入ほど社会保険料や税金を差し引かれて損をする」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。とはいえ、社会保険料や税金は源泉徴収(天引き)されるため、その仕組みについて知る機会はなかなかありません。
 
本記事では、本事例を基に「賞与にかかる社会保険料はどのように計算するのか?」「賞与から源泉徴収する税金はどのように計算するのか?」について解説します。賞与における社会保険料や税金の仕組みについて知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
中村将士

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

賞与にかかる社会保険料はどのように計算するのか?

賞与にかかる社会保険料は、健康保険料、介護保険料(40歳以上65歳未満)、子ども・子育て支援金、厚生年金保険料、雇用保険料です。
 
健康保険料、介護保険料(40歳以上65歳未満)、子ども・子育て支援金(令和8年度より開始)、厚生年金保険料の被保険者負担分は、以下の計算式により算出します。
 
標準賞与額×保険料率×1/2
 
「標準賞与額」は、実際に支払われた賞与額(税引き前の総支給額)から1000円未満を切り捨てた金額です。
 
保険料率は、それぞれ健康保険9.85%(東京都の場合)、介護保険1.62%、子育て支援金0.23%、厚生年金保険18.3%で、合計すると30%になります。これを事業主と被保険者で折半(1/2)するため、被保険者負担分は標準賞与額の15%となります。
 
雇用保険料の労働者負担分は、以下の計算式により算出します。
 
賞与総額(額面)×雇用保険料率(労働者負担分)
 
一般の事業の場合、雇用保険料率(労働者負担分)は0.5%(5/1000)です。先述の保険料率と合わせると、社会保険料率は合計15.5%です。例えば賞与が150万円であれば23万2500円(=150万円×15.5%)、80万円であれば12万4000円(=80万円×15.5%)が社会保険料の金額となります。
 

賞与から源泉徴収する税金はどのように計算するのか?

賞与から源泉徴収する税金は、所得税と復興特別所得税です。所得税・復興特別所得税は、原則として以下の計算式により算出します。
 
社会保険料等控除後の賞与額×税率
 
「社会保険料等控除後の賞与額」とは、賞与総額(額面)から社会保険料を差し引いた額です。前項の例でいえば、賞与150万円なら126万7500円(=150万円-23万2500円)、80万円なら67万6000円(=80万円-12万4000円)と計算できます。
 
税率は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(以下、「算出率の表」といいます)」から求めます。算出率の表では、「扶養親族等の数」と「前月の社会保険料等控除後の給与等の金額」に応じた「賞与の金額に乗ずべき率」が記載されており、これが税率となります。この税率は超過累進税率を採用しており、最大で45.945%です。
 
例えば、「扶養親族の数」が2人、「前月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が32万1000円以上37万7000円未満の場合、「賞与の金額に乗ずべき率」は6.126%です。仮に賞与80万円の方の税率を6.126%とすると、賞与から源泉徴収する税金の額は4万1411円(=67万6000円×6.126%)となります。
 
また、賞与150万円の方の「扶養親族の数」「前月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が、仮に2人、52万5000円以上63万6000円未満だとすると、「賞与の金額に乗ずべき率」は18.378%となり、賞与から源泉徴収する税金の額は23万2941円(=126万7500円×18.378%)となります。
 

まとめ

本記事では、本事例を基に「賞与にかかる社会保険料はどのように計算するのか?」「賞与から源泉徴収する税金はどのように計算するのか?」を解説しました。ポイントは以下のとおりです。

・賞与にかかる健康保険料、介護保険料(40歳以上65歳未満)、子ども・子育て支援金(令和8年度より開始)、厚生年金保険料の被保険者負担分は「標準賞与額×保険料率×1/2」により算出する
・賞与にかかる雇用保険料の労働者負担分は「賞与総額(額面)×雇用保険料率(労働者負担分)」により算出する
・賞与から源泉徴収する所得税・復興特別所得税は「社会保険料等控除後の賞与額×税率」により算出する

本事例における賞与150万円の義兄と賞与80万円の夫の手取り収入を、本記事での仮定を基に比較すると、以下のようになります。

・義兄の手取り収入:103万4559円(=賞与150万円-社会保険料23万2500円-税金23万2941円)
・夫の手取り収入:63万4589円(=賞与80万円-社会保険料12万4000円-税金4万1411円)

さすがに本事例でいうような「ほぼ同じ」というわけにはいきませんが、額面では70万円あった両者の差が、手取り収入では39万9970円にまで縮まりました。これは社会保険料が「率」で計算されること、税金が「超過累進税率」で計算されることによります。特に超過累進税率の採用は手取り収入に大きな影響を与えるといえます。
 

出典

全国健康保険協会(協会けんぽ) 令和8年度保険料額表
厚生労働省 雇用保険料率について
国税庁 令和8年分 源泉徴収税額表
 
執筆者 : 中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 上級心理カウンセラー

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