会社から「ボーナスを廃止して基本給を上げる」と言われ喜んでいた夫。しかし毎月の給与明細を見たら、引かれる“社会保険料”が増加! 年単位で見ると手取りは減ってしまうのでしょうか?

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会社から「ボーナスを廃止して基本給を上げる」と言われ喜んでいた夫。しかし毎月の給与明細を見たら、引かれる“社会保険料”が増加! 年単位で見ると手取りは減ってしまうのでしょうか?
このようにボーナスを廃止して基本給に組み込む動き、いわゆる「賞与の給与化」は、一部の大企業で見られます。単月で見ると、毎月の給与が増えると社会保険料が増加するため、損をしたように感じるかもしれません。
 
しかし、「年間の総支給額(ボーナス込みの過去の年収と、新しい年収)」が同じであれば、年単位での手取りが激減することは基本的にありません。
 
本記事では、なぜ年単位で見ると手取りは減らないかを解説し、あわせて「賞与の給与化」のメリット・デメリットについて解説します。
堀江佳久

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

年単位で見ると手取りは減らない理由

1. なぜ、月給から引かれる社会保険料が増加したのか?

社会保険料(健康保険や厚生年金など)は、毎月の基本給や各種手当などを一定の幅で区分した「標準報酬月額」に基づいて計算されます。したがって、今回はボーナスの廃止に伴って基本給が引き上げられたことで、「標準報酬月額」の等級も上がり、毎月の給与から引かれる社会保険料が増加したものです。
 

2. なぜ、年単位だと手取りは減らないのか?

月単位で見ると、毎月引かれる社会保険料が増えたため損をした気分になりますが、今まではボーナスからもボーナスの額に応じて社会保険料が引かれていました。
 
今までは毎月の給与から少しずつ引かれ、ボーナス月に大きく引かれていました。これが、12ヶ月に均等に割り振られて引かれるようになったため、年間の総支給額が同じなら、1年間に支払う社会保険料の総額はほぼ同じになります。
 
ただし、今まで高額なボーナスをもらっていた場合には、注意が必要です。例えば、厚生年金のボーナスの上限額が150万円/回と決まっています。
 
もし、ご主人のこれまでのボーナスが150万円/回を大きく超えていた場合、超えた分には厚生年金保険料がかかっていなかったため、その分の保険料が増え、結果として手取りが減少するという現象は起こり得ます。
 

「賞与の給与化」のメリット・デメリット

「賞与の給与化」をすることで、企業側には高い月給を提示できるので採用力の向上や定着率の向上などのメリットがある一方、業績悪化時に人件費の調整が難しくなるなどのデメリットがあります。働く側のメリット・デメリットについてはどうでしょうか? 以下で、詳しく見ていきます。
 

1. メリット

(1)残業代の単価アップ
基本給が上がったことで1時間あたりの残業代が高くなる可能性があります。したがって、残業をした月の総支給額は以前よりも増え、年間の手取りが増える可能性があります。その他、退職金が基本給をベースに算出されている場合や、傷病手当金、育児休業給付金などについても、受取額が増える可能性があります。
 
(2)収入が安定する
企業の業績によって変動する賞与への依存度が下がり、毎月の手取り額が増えるため収入が安定します。
 

2. デメリット

(1)モチベーション低下の可能性
従業員の成果を評価し、高評価が得られれば大きな金額が得られていたボーナスが廃止されることで、従業員のモチベーションが低下する可能性があります。
 
(2)まとまった資金が確保しづらくなる
今までのようにボーナスをあてにした、車や住宅などの資金計画ができなくなります。また、ボーナス払いを設定して車や住宅を購入している場合には、返済方法を変更する必要が生じてきます。
 

まとめ

「賞与の給与化」は、働く側にとっては、高額なボーナスをもらっていた一部の例外を除き、年単位で見ると手取りは減りません。それどころか、残業代や将来の退職金などが増える可能性を踏まえると、金額面でプラスに働くこともあります。
 
ただし、モチベーションの低下やまとまった資金が確保しづらくなるといったデメリットにも注意が必要です。
 

出典

日本年金機構 厚生年金保険の保険料
 
執筆者 : 堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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