「年収アップ」の条件で転職したはずが、初任給の手取りが“月5万円”も減っていて怒り爆発! 求人票の「みなし残業代(固定残業代)」を見落とすと大損するって本当?
今回は、転職前に確認しておきたい、みなし残業代(固定残業代)について解説します。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
みなし残業代(固定残業代)とは?
みなし残業代(固定残業代)とは、一定時間分の残業代を給与に含めて支払う制度です。具体的に、みなし残業代とはどのようなものなのか、確認していきましょう。
例えば、求人票に以下の通り書かれていたとします。
例:月給30万円(固定残業代30時間分6万円を含む)
この場合、月給30万円のなかには、毎月の30時間分の残業代が含まれていることになります。つまり、30時間までは、残業をしても残業代は別途支給されません。30時間を超えて残業をしたときに、超過分の残業代が別途支給される形です。
定時で仕事を終えて残業をしなかった月も、30時間ほど残業した月も、月給に変わりはありません。
転職で手取りが減る理由
さらに、転職で給与が減ってしまう例を見ていきましょう。例えば、前職と転職先の給与が以下の通りだったとします。
例:
<前職>基本給30万円、残業代は実費支給
<転職先>月給35万円(固定残業代30時間6万円を含む)
転職先は、前職に比べて、一見すると給与が5万円にアップしたように見えます。しかし、転職先の給与は、実際には基本給29万円と固定残業代6万円です。
つまり、月給アップの正体は基本給アップではなく、固定残業代ということになります。そのため、前職で月5万円を超える残業代を受け取っていた場合は、転職後の給与が前職を下回るケースもあります。
前職で多額の残業代や各種手当を受け取っていた場合、転職後の税金や社会保険料なども含めて計算すると、手取りが月5万円ほど減るケースも考えられます。
求人票で確認したいポイント
では、実際に転職を検討する場合、求人票で確認しておくべき項目を見ていきましょう。単に月給の金額だけではなく、その他の条件も把握しておくことが大切です。
・みなし残業代(固定残業代)は含まれているのか
・みなし残業代(固定残業代)はいくらで、何時間分の残業代なのか
・基本給はいくらか
・みなし残業代(固定残業代)を超えた残業代は別途支給されるのか
・残業代の計算方法はどのように行うのか
・残業は毎月どのくらいあるのか(みなし残業時間を超えるのか)
・賞与はあるのか。年に何回あるのか
・賞与は基本給をベースに計算されるのか
・昇給はあるのか。昇給は基本給に対して行われるのか
賞与や昇給は、基本給を基準に行われるケースが多いようです。そのため、一般的に、みなし残業代(固定残業代)の割合が大きい会社では、基本給の割合が少ないため、賞与や昇給は思ったよりも少なくなる場合があります。
実際に給与はいくらもらえるのか、結局年収はいくらになるのか、というポイントは、転職するうえで大事なポイントです。求人票をしっかりチェックすると同時に、もし求人票に詳しく書かれていない場合は、別途採用担当者や人事部の人に確認しておくと安心です。
まとめ
求人票の月給だけに注目して転職活動を行うと、「転職したのに手取りが減ってしまった」という失敗につながる可能性があります。今回ご紹介した「みなし残業代(固定残業代)」という仕組みについて理解したうえで、求人票をチェックし、後悔しないように慎重な転職活動を行うようにしましょう。
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
