公立高校で働く50代教師の夫は年収「800万円」。友人に話すと「先生ってそんなに稼ぐの?」と驚かれましたが、一般の会社員と比べても高収入なのでしょうか?
公立高校の教師は地方公務員であり、給与は民間企業とは異なる仕組みで決まります。では、年収800万円は公立高校の教師として一般的な水準なのでしょうか。また、同年代の会社員と比べると、どの程度高いのでしょうか。
本記事では、統計データを基に確認します。
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目次
公立高校などの教育職の平均的な年間給与は約722万円
総務省が公表している「令和7年4月1日地方公務員給与実態調査結果」によると、高等(特別支援・専修・各種)学校教育職の「給与月額合計」は44万2668円です。また、期末手当と勤勉手当の合計は年間191万963円となっています。
給与月額合計の12ヶ月分に期末・勤勉手当を加えると、年間の給与は次のようになります。
・44万2668円×12ヶ月+191万963円=722万2979円
つまり、単純計算では年間約722万円です。
一方、小・中学校(幼稚園)教育職は、給与月額合計が42万4411円、期末・勤勉手当が185万3603円です。同じ方法で計算すると、年間約695万円となります。
今回のケースの年収800万円は、高等学校などの教育職全体から算出した約722万円より約78万円高いことになります。
ただし、この統計は「50代の公立高校教師だけ」の平均ではありません。高等学校のほか、特別支援学校などの教育職も含まれているため、年収800万円とまったく同じ条件で比較した数字ではない点に注意が必要です。
年収800万円の50代教師は同年代の会社員より200万円以上高い
次に、民間で働く会社員などと比べてみましょう。
国税庁が公表している「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は478万円です。年収800万円との差は322万円で、800万円は全体平均のおよそ1.7倍に当たります。
ただし、50代の教師と全年齢の給与所得者を比較するだけでは、年齢による給与差を考慮できません。そこで、50代に絞って確認します。
同調査によると、50~54歳の平均給与は559万円、55~59歳では572万円です。年収800万円と比較すると、50~54歳では241万円、55~59歳では228万円の差があります。
この結果から、年収800万円の50代公立高校教師は、同年代の民間給与と比べても高い水準にあると考えられます。
教師の給与は年齢や勤続年数、役職などによって変わる
年収800万円というケースを見て、「公立高校の教師なら誰でも同程度の給与をもらえる」と考えるのは適切ではありません。
公立学校の教師は地方公務員であり、給与は各自治体の条例などに基づいて決まります。年齢や勤続年数などによって給与に差が生じるほか、教頭や校長といった役職によっても給与水準は変わります。
そのため、20代や30代の教師と、長く勤務してきた50代の教師では年収に差が生じることがあります。また、同じ50代でも、勤務する自治体や役職などによって年収が異なる可能性があります。
教師の収入を比較するときは「教師」という職業だけを見るのではなく、年齢や経験、役職などの条件も確認することが大切でしょう。
50代教師の年収800万円は会社員と比べても高い水準
総務省の調査を基に単純計算すると、高等(特別支援・専修・各種)学校教育職の年間給与は約722万円です。一方、国税庁の調査では、民間の平均給与は478万円、50~54歳は559万円、55~59歳は572万円となっています。
したがって、50代の公立高校教師で年収800万円なら、民間の同年代と比べて200万円以上高く、比較的高収入といえるでしょう。
ただし、教師の給与は年齢や勤続年数、役職、勤務する自治体などによって異なります。「公立高校の教師なら年収800万円が普通」とは限りません。
収入が高いかを判断するときは、全体平均だけでなく、年齢など条件の近い人と比べることがポイントです。今回のケースでは、同年代の民間給与と比較することで、年収800万円が比較的高い給与水準にあることが分かります。
出典
総務省 令和7年地方公務員給与の実態 令和7年4月1日地方公務員給与実態調査結果 第5表 職種別職員の平均給与額(251~252ページ)
国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)、〔年齢階層別の平均給与〕(21ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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