最終更新日: 2021.02.26 公開日: 2021.02.27
相続

不動産の相続登記が義務化されるってどういうこと?

執筆者 : 村川賢

政府は、不動産の相続登記を義務化する法案を今年の通常国会に提出していて、3月にも成立する見込みです。成立すれば2023年度から施行されます。
 
このような法案が提出された背景には、今まで不動産登記は義務ではなかったため、相続時に相続登記(※1)されずにそのまま放置されていている土地が非常に多いことがあります。
 
登記されている名義人が何十年も前に亡くなっている場合などでは、相続人が代襲相続により孫や曾孫の代まで及んでいて、その土地の所有者を特定するのが非常に困難となっている現状があります(※2)。
 
村川賢

執筆者:

執筆者:村川賢(むらかわ まさる)

一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)

早稲田大学大学院を卒業して精密機器メーカーに勤務。50歳を過ぎて勤務先のセカンドライフ研修を受講。これをきっかけにお金の知識が身についてない自分に気付き、在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得。30年間勤務した会社を早期退職してFPとして独立。「お金の知識が重要であることを多くの人に伝え、お金で損をしない少しでも得する知識を広めよう」という使命感から、実務家のファイナンシャルプランナーとして活動中。現在は年間数十件を越す大手企業の労働組合員向けセミナー、およびライフプランを中心とした個別相談で多くのクライアントに貢献している。

村川賢

執筆者:

執筆者:村川賢(むらかわ まさる)

一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)

早稲田大学大学院を卒業して精密機器メーカーに勤務。50歳を過ぎて勤務先のセカンドライフ研修を受講。これをきっかけにお金の知識が身についてない自分に気付き、在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得。30年間勤務した会社を早期退職してFPとして独立。「お金の知識が重要であることを多くの人に伝え、お金で損をしない少しでも得する知識を広めよう」という使命感から、実務家のファイナンシャルプランナーとして活動中。現在は年間数十件を越す大手企業の労働組合員向けセミナー、およびライフプランを中心とした個別相談で多くのクライアントに貢献している。

不動産登記がされていないとどういう問題があるの?

土地や建物が長いあいだ不動産登記されていないと、それらの所有者が誰であるか分からなかったり、連絡が取れなかったりして、いろいろな場合で不都合が起きています。そのうちの代表的な例を列挙してみました。
 
1.雑草が生い茂りゴミが散乱している空き地では、景観の疎外や害虫の発生などで近隣住民に迷惑を及ぼしている場合が多く、苦情を受けた自治体としてもその土地の所有者や管理者が誰であるか判明しないため対処に困ったりしています。
 
2.地域活性化のため、空き地となっている土地を有効利用して公園や公民館などの施設を建築しようとした際に、利用したい空き地の所有者が誰なのか特定できず、施設の建築計画が滞ったりしています。
 
3.長年住んでいる人がいない「空き家問題」などで、近隣住民に迷惑をかけている空き家を取り壊したいが、その土地と建物を所有している人が特定できず、取り壊すにも費用の請求先が分からない場合などがあります。
 

相続登記しないと罰則はどうなるの?

法務大臣の諮問機関である法制審議会は、今年の2月10日に民法・不動産登記法の改正案を決定し法務大臣に答申しました(※3)。そのなかから重要なポイントを以下にまとめました。
 

1.不動産の相続登記を義務化

相続で不動産取得を知った日から3年以内に登記しなければ10万円以下の過料となります。また登記期限に間に合わない場合などでは、相続人の申し出で簡易に住所・氏名などを登記する制度が新設されました。
 

2.不動産所有者の住所、氏名などが変更になったときの登記を義務化

不動産を所有する者が住所や氏名を変更したときには、2年以内に登記に反映させないと5万円以下の過料となります。
 

3.遺産分割協議の期間を設定

相続が開始され、遺産分割協議がなかなか決まらない場合でも、相続開始から10年を過ぎると原則として法定相続分で分割されたものとなります。希望しなくても10年を過ぎるとその土地の所有者となっている可能性があります。
 

4.土地所有権を国庫に帰属させる制度が新設

相続人が不要と判断した土地は、諸条件はありますが相続人が10年分の管理費を国に払うことで、国に引き取ってもらう制度が新設されました。
 

終わりに

親の住んでいる場所が地方にあり、自分が暮らしている都会から遠く離れている場合などでは、親が亡くなっても土地や家を相続するつもりがなく、相続登記をそのままにしているケースが多く見られます。しかし相続登記をおこたると、後々になって子や孫の代に迷惑が及ぶことになります。
 
不動産登記が義務化されることに伴って、親などから土地や建物を相続した場合はなるべく早く登記するか、不要な場合には管理費を払ってでも国に引き取ってもらうことを検討しましょう。
 
[出典]
(※1)法務局「不動産の所有者が亡くなった」
(※2)国土交通省「所有者不明土地問題に関する最近の取組について」
(※3)法務省「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正について」
 
執筆者:村川賢
一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)
 

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