更新日: 2021.07.30 その他相続

相続で家族を困らせないために「生前にやっておきたい3つのこと」って?

相続で家族を困らせないために「生前にやっておきたい3つのこと」って?
相続問題が起こるのは、何も資産家の場合だけではありません。ごくごく一般的な家庭においても起こり得ることなので、皆さんも例外ではありません。
 
そこで、不意に発生した相続で家族を困らせないために、生前に行っておきたい3つの相続対策について紹介します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

どうして生前に相続対策が必要なの?

生前に相続対策が必要な理由は、残された家族のためです。
 
人は一生のうちにさまざまな出来事に遭遇し、それらが長年積み重なって財産や権利、人間関係が形成されていきます。その人生が終わりを迎えたとき、最後の清算を行うのは本人ではなく、残された遺族であるからです。
 
相続は亡くなった方(被相続人)の一生が色濃く表れます。場合によっては遺族の間で争いを引き起こす原因にもなるでしょう。遺族にとって相続は想像以上に負担となるものです。
 
自分の人生に責任を持ち、最後に遺族へしてあげられることが相続対策なのです。
 

家族を困らせないための相続対策その1:相続財産の整理

相続で困ることの1つに「相続財産を調べるのに手間がかかる」という問題があります。
 
基本的には被相続人の所有物の中から銀行通帳や郵便物、最近ではパソコンやスマホのデータ、電子メールなど、どこにどのような財産があるか、場合によっては関係各所に問い合わせるなどして地道に調べていきますが、これは想像以上に骨の折れる作業です。
 
また、相続財産は負債、いわば借金や何らかの義務も対象となります。相続実務の場では、本人の死後に借金が発覚して遺族が途方に暮れるということも起こっています。
 
そこで、遺族が相続財産を調べる手間を省き、負債の発覚などで驚かせないためにも、相続財産の種類と内訳、問い合わせ先の一覧などをまとめておくようにしてください。遺言を作成し、そこに記載しておくのも有効です。
 
また、併せて生命保険や不動産、預貯金の名義も見直しておいてください。特に生命保険金の受取人や不動産の名義が、すでに亡くなっている方のままということはよくあります。
 
こういったことが起きないように相続財産を整理しておくことで、遺族はスムーズに財産を把握し、相続手続きを進めることができます。
 

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家族を困らせないための相続対策その2:節税対策

少しでも遺族に財産を残してあげたいと思うのであれば、節税対策も行っておくとよいでしょう。相続税を納付することまで含んでの相続です。
 
相続税は相続財産のうち、3000万円+600万円×相続人の数を超える部分について発生します。
 
相続税が発生するほど財産がある場合は、毎年少しずつ生前贈与を行ったり、生命保険金の非課税特例を利用するなどして、課税対象となる財産を少しでも減らして節税対策を進めておいてください。
 

家族を困らせないための相続対策その3:遺産をめぐる争いの防止

相続の場においては、それまで仲の良かった家族が一転、相続財産をめぐって争いを起こすというケースも珍しくはありません。
 
遺産をめぐる争いを防止するために、あらかじめ誰がどの財産を取得することになるのか、遺族が納得できる公平な内容で遺言を作り、その中で遺産分割について決めておきましょう。
 
例えば、長男には1000万円の土地を、次男には1000万円の預貯金をといった具合です。基本的に遺言で相続分や相続財産の指定をしてしまえば、そのとおりに遺産分割が進行するため、争いを防ぐことができます。
 
また、遺族となる方の中には被相続人に寄り添って介護などを献身的に行っている場合や、すでに多くの支援を受けているなど、個人個人の事情があると思いますが、これも相続人の間でもめる原因になります。
 
こうしたケースでも、あらかじめ被相続人となる方が個別の事情を遺言に記載の上、遺産分割について指定すれば、なおのこと相続問題の防止につながります。
 

相続で家族を困らせないために生前から対策をしておくべき

相続は突然訪れ、それにより遺族に重い負担がのしかかったり、仲の良かった家族の絆に元に戻らない傷を作る原因にもなり得ます。相続によって残された家族を困らせないためにも、生前余裕があるうちに、必要な相続対策を行っておくようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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