更新日: 2021.08.17 相続

死亡後に口座が「凍結」された…。そんな場合どうやって解除する?

執筆者 : 柘植輝

死亡後に口座が「凍結」された…。そんな場合どうやって解除する?
人が亡くなると、さまざまな手続きが必要となります。その中の1つに亡くなった方の銀行の口座に関するものがありますが、実際にどのような手続きが必要となるのでしょうか。今回は、人の死亡後に発生する銀行口座の手続きについて解説します。
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執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

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人が亡くなると口座は凍結される

意外に知らないという方も多いかもしれませんが、人が亡くなると、その方が名義人となっている銀行の口座はいったん凍結され、預金の引き出しができない状態になります。
 
凍結状態にある口座を利用可能な状態にするには、金融機関の窓口にて手続きをしなければなりません。
 
厳密には金融機関が口座名義人の死亡を知るまでは凍結されず、預金の引き出しなども可能なのですが、不用意に引き出しをしてしまうと相続について単純承認したと見なされ、相続放棄や限定承認など、特定の相続方法を選択できなくなる恐れもあるため注意が必要です。
 

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凍結解除の手続きは?

口座の凍結を解除する前に、まずは遺産分割などで口座に入っている預金の分配について定めておく必要があります。遺言書がある場合は問題ないのですが、そうでない場合は相続人間で遺産分割協議を行い、口座内の預金の分割方法について決めなければなりません。
 
口座の凍結解除は金融機関に連絡し、必要な書類を提出して手続きを行います。提出する書類は金融機関や相続の内容によって異なり、状況次第では家庭裁判所で発行される書類が必要なこともありますので、必ず金融機関に確認してください。
 
ここでは大手銀行を一例に、遺言書や遺産分割協議書もなく、法定相続人のみで法定相続分に沿って相続する場合の必要書類について以下に記載します。
 

●亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と、法定相続人を確認できる全ての戸籍謄本
●法定相続人全員の印鑑証明書
●対象となる口座の通帳(証書、キャッシュカード、貸金庫の鍵なども含む)

 

遺産分割前の相続預金の払戻し制度

状況によっては遺産分割協議がなかなか成立せず、いつまでも亡くなった方の預金が引き出せないということもあります。そういったケースでは、「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を利用することで、一定額までは預金を引き出すことができるようになります。
 
この場合、下記の計算式で算出される金額までであれば、各相続人が単独で預金を引き出すことができます(1金融機関当たり150万円が上限)。
 
引き出せる金額=相続開始時の預金額×3分の1×払い戻しを行う相続人の法定相続分
 
また、手続には下記の書類が必要になります(大手銀行の例)。
 

●亡くなった方の除籍謄本、死亡までの連続した戸籍謄本または履歴事項全部証明書
●相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
●預金の払い戻しを希望される方の印鑑証明書

 
なお、上記を超える金額を引き出す場合は、家庭裁判所に審判または調停を申し立てることが必要になります。家庭裁判所に預金を引き出す理由があると認められれば、下記の書類を金融機関に提出することで認められた範囲の預金を引き出すことができます(大手銀行の例)。
 

●家庭裁判所の審判書謄本(審判書上、確定表示がない場合は審判確定証明書も必要)
●預金の払い戻しを希望される方の印鑑証明書

 

亡くなった方の銀行口座が凍結されても慌てる必要はない

亡くなった方の銀行の口座が凍結されてしまっても慌てる必要はありません。所定の手続きを取ることで、口座から相続財産となる預金を引き出すことができます。また、遺産分割などが成立する前であっても、遺産分割前の相続預金の払戻し制度を利用して預金を引き出し、葬儀の費用に充てることも可能です。
 
親族の方が亡くなり、口座が凍結されても落ち着いて銀行に連絡し、解除の手続きを進めるようにしてください。
 
出典
一般社団法人 全国銀行協会 ご存じですか? 遺産分割前の相続預金の払戻し制度
 
執筆者:柘植輝
行政書士