更新日: 2021.11.08 その他相続

負の遺産を子どもに残したくない……生前にできる解決策とは?

負の遺産を子どもに残したくない……生前にできる解決策とは?
遺産となって相続対象となる財産は、プラスの財産だけではありません。マイナスの財産、いわゆる負の遺産も相続の対象となり、相続人へ引き継がれていきます。負の遺産をできるだけ子どもに残さないよう、生前にできる解決策について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

負の遺産の具体例にはどんなものがある?

負の遺産の代表例といえば借金です。親が生前に借りていたお金や事業に関連する借入金はもちろん、保証人や連帯保証人となっている場合には、その地位を引き継ぎ、他人の借金を負ってしまうこともあります。
 
そのほかに、不動産も負の遺産となり得ます。親が所有する土地や建物など不動産の場所が相続人の居住地と離れている場合や、広大な山や田畑など管理が大変な不動産なども負の遺産となるのです。
 
ただ、借金や保証人の地位など明確に負の遺産と判断できるものもあれば、不動産など一概にマイナスの財産とはいえないものもあるため、相続人本人では正確に判断できない場合もあるでしょう。負の遺産であるかの判断について悩むときは、税理士など相続の専門家に相談することをお勧めします。
 

生前にできる対策は?

負の遺産を子どもに残さないために、生前にできる対策はいくつかあります。その中でも代表的で、汎用性の高い対策について紹介します。
 

相続人に負の遺産について説明しておく

負の遺産の存在について自身でまとめるなどして、相続人となる子どもへ伝えておくことも大切です。全ての問題が直ちに解決するわけではありませんが、生前に説明しておくことで、突然相続が発生したとしても相続人はある程度落ち着いて対応することができるからです。
 
しかし、個別の事情によっては生前に伝えることが困難であったり、伝えない方がよいこともあります。そういった場合でも、遺言書を作成して負の遺産について記載しておくべきです。
 
こうした対策をしておくことで、相続人は相続の開始後、相続放棄(被相続人の財産の全てを相続しないこと)や限定承認(プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続すること)をして負の遺産を相続しないという選択ができるからです。
 
また、負の遺産を生前に伝える際は、相続放棄や限定承認の制度についての説明もしておくと、より良い対策になるでしょう。
 

負の遺産を処分しておく

負の遺産を子どもに残さないために重要なのは、やはり生前にあらかじめ処分しておくことです。
 
借金であれば返済しておく、連帯保証人を含む保証人の地位であれば契約を解除できるように債権者へ相談する、場合によっては債務整理や自己破産といったことも視野に入れて、できるだけ負の遺産を残さないようしたいところです。
 
また、負の遺産となり得る不動産であれば売却したり、寄付するといった方法で処分することも可能です。
 

専門家へ相談する

子どもに負の遺産を相続させたくないと本気で考える場合、税理士をはじめとする相続の専門家へ相談することが大切です。専門家へ相談することで、個別の事情に合った解決策を行うことができるからです。
 
相続時にマイナスとなる財産について、個人が調べて対応する相続対策には限界があります。子どもの将来を考えるのであれば、早めに専門家へ相談するようにしてください。
 

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まとめ

負の遺産を子どもに残したくない場合、生前に整理しておく、子どもにその存在を伝える、場合によっては専門家に相談して対策を行うことが必要になります。対応が早ければ早いほど、解決策の選択肢が増えることもあります。
 
相続はいつ起こるか分かりません。相続と負の遺産について気になる場合、早めに解決できるよう対応してみてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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